｢復活された主イエス｣

一昨日の金曜日は、イエス様が十字架につけられた記念の日でした。その日、イエス様は十字架の上で物凄く苦しんで死なれたのです。

ここにはないけれど、西洋の教会には大抵、十字架の上で苦しむイエス様の彫刻や絵があります。それを初めて見た人は、「イエス様はどうしてこんな目に遭わなければいけなかったのか？」と聞くでしょう。

本当に、何故でしょうか。イエス様は何も悪いことはなさらなかった。自分のことは後回しにして、出会うすべての人を大切にされました。苛められている人を励ましたり、悲しんでいる人を慰めたり、病気の人を癒したりなさいました。その方を、こんな風にして殺すなんて！ 一体どうして？

そのわけは、多分、こういうことだったでしょう。

その頃ユダヤには大事な「決まり」(律法)があって、どんな人もそれを守らなければなりませんでした。例えば、重い皮膚病にかかっている人には触ってはいけない、というようなことです。それには理由があったと思います。けれどもイエス様は、「決まり」を守ることよりも前に、苦しんでいる人たちに今、どうしてあげたらいいか、ということを考えたのです。その人たちの身になって考えた。病気を治してあげたい。そして、「決まり」を破ることになるけど、病人に触りました。

これが、偉い人々の気に入りませんでした。彼らは「なんて怪しからん奴だ」と怒り、とうとう、｢生かしては置けない｣ということになったのです。こうしてイエス様は殺されてしまった。それが金曜日のことです。

一日おいて日曜日の朝早く弟子たちがお墓に行くと、お墓は空っぽでした。その傍には白い衣を着た若者がいて、｢イエス様は復活した｣と言いました。「復活」なんて、そんなことが信じられますか？ 誰でも、死んだらそれで終わりでしょう？

しかし、その後で、「イエス様は死んだけれども、目に見えない形で今も生きていらっしゃる」と思わずにはいられないようなことが、いろいろと起こったのです。それで、弟子たちは｢イエス様は復活した。今も生きていらっしゃる｣と信じるようになった。私も、教会の皆さんも、このことを信じています。

さっきも言ったように、イエス様は、自分のことは後回しにして、出会うすべての人を大切にされました。このことは、2000年の間、多くの人々の心を動かし続けています。イエス様を見上げると、「ああ、愛の神様がいらっしゃるんだな」ということが分かる。さっき、｢神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された…｣という聖句を読みましたが、これはそういう意味です。

この世界では、多くの人々が憎み合ったり、殺し合ったりしています。戦争も起こる。でも、イエス様の愛はいつまでも続いているし、彼が教えて下さった愛の教えは、生き続けています。｢イエス様が復活した｣というのは、そういうことです。

前から捜していた『テイッピ』という写真集を、一昨日、とうとう手に入れました。テイッピというのは、フランス人の両親の間にアフリカで産まれた女の子で、今、咲希ちゃんと同じ11歳です。野生の動物たちと直ぐ仲良しになれる不思議な力を持っていて、巨きな象や狒狒、チーター、ライオン、ダチョウ、蛇、蛙、カメレオンなどと友達になりました。J＆Bと名づけられた豹が人に向かって牙を剥いた時は、すたすた近寄って行って｢お止めなさい｣と叱り、頭をこつんと叩いたのだそうです。そうしたら、J＆Bは直ぐ大人しくなり、テイッピはその首筋を優しく撫でてあげた。これがその時の写真です。どうしてそんなことができるのでしょうか。こちらが恐れたり敵意を持ったりしなければ、猛獣だって無闇に噛みついたりはしない。

イザヤ書11章は、前に皆さんが手話入りで朗読してくれたことがある。（今でも覚えているかな？）。｢狼は小羊と共に宿り、豹は子山羊と共に伏す。子牛は若獅子と共に宿り、小さい子供がそれらを導く｣とある。いつかそういう時が来る、という意味なのですが、テイッピを見ると、この聖書の言葉が本当だということが分かる。

イエス様は、｢互いに愛し合いなさい｣と教えられました。｢敵をも愛しなさい｣。｢自分から愛の手を差し伸べなさい｣。そんなことは難しい、とても出来ないと、多くの人が言います。でも、このイエス様の教えが本当です。小さなテイッピがこのことも証明してくれました。

イエス様が十字架の上で死んだ時、多くの人は「互いに愛し合いなさいなんて言ったって、結局殺されてしまったじゃないか」と思ったかもしれない。でも、イエス様は復活した！　彼の愛と、愛の教えは今も生きているのです。復活というのはそういうことです。だから、マザー・テレサのような人も次々に現れるのです。