自殺をするのではなく学校でのいじめから身を守る

 

いじめを受けているならどうしたらいいですかライアンという少年はこう語ります。「スクールバスに乗っている15分間は非常に苦しく、何時間も続くかのように感じました。いじめは、ひどい言葉を浴びせることから、体を痛めつけることへとエスカレートしていきました。」ただ、単に言葉で悪口を言われるだけなら、なんとかなっても、暴力をふるわれることになると事態は深刻になったと言えます。 

　あなたも学校でいじめにあっていますか。もしそうなら、その状況で何ができるでしょうか。

　確かに、昔からすると、他のおとなしい子、周囲と変わっている子をいじめるいじめっ子がいます。また、昔からすると、他の子供に対する扱いが過酷になっているかもしれません。お金をとったり、絶えず悪口を言ったり、暴力をふるう若者もいます。　　しかし、とりわけ、日本ではいじめられるとすぐ自殺をする若者がいます。そうした若者は、自分が自殺をすることにより、いじめっ子に思い知らせることができると考えることさえあるかもしれません。　日本では昔から著名な人々が自殺をしています。昔から侍は切腹をしました。それから、例えば、西郷隆盛や、芥川龍之介などの有名な人が自殺をしています。そして、自殺をする十代の若者や二十代の会社員のことが報道されるので、自殺で、自分の問題を終わらせることができると考えがちかもしれません。 

歌手の藤圭子は自殺をしてしまいましたが見習うべきではありません 

　しかし、そうした自殺で問題を終わらせるという考え方に陥らないようにしましょう。あきらめてしまわなければ対処策や、助けはあるものです。

(1)すぐに怒って仕返ししないように自制しましょう

　　聖書は「自分の霊にせき立てられて腹を立ててはならない」という賢明な助言を与えています。（伝道の書7:9）  いじめられて腹を立てることは、相手を楽しませ、相手の思うつぼかもしれません。また、怒って「悪に悪を返す」ことは火に油を注ぐようなもので、問題を大きくしかねません。（ローマ12:17）ですから、自殺をして相手に恥ずかしい思いをさせたり、罪悪感を持たせようと考えるのは愚かな考え方です。　それは、あなたが神から与えられた貴重な命を捨ててしまうことになります。あなたは今の問題を乗り越えれば、将来すばらしい人生を楽しみ、神に感謝することができるかもしれません。聖書は命は全世界よりも価値があると述べています。　イエスは「全世界を勝ち得ても、それによって自分の魂を失うなら、その人にとって何の益になるでしょうか。」と言われました。(マタイ26:16)イエスが直接言及されているのは、神からの報いである永遠の命を確保することについて言われたのですが、基本的に命は、全世界の富や権力などよりも価値があります。

 

聖書は命はとても貴重だと言っています

 

命は全世界の富よりも貴重です 

　　そのような貴重な命を捨ててしまうのは愚かなことです。　では、自殺をしたり、暴力に訴えずにいじめに打ち勝つには、どうすればよいのでしょうか。(2)エホバ神に知恵を祈り求めましょう　私たちの力や知恵は限られています。ですから、わたしたちだけの力や知恵では、対処できない問題は数多くあります。是非、そうした状況の時には、エホバ神に祈りましょう。問題を具体的にエホバ神に申しあげ、自分の心をエホバ神に注ぎ出しましょう。 

あきらめないで祈りましょう―エホバ神はあなたの信仰に応えて助けてくださるでしょう 

　自分の状況をエホバ神に申しあげましょう。わたしも問題についてエホバに祈って、その直後に解決策を気づかせていただいたことは数多くあります。具体的に問題を祈りのうちに申しあげましょう。エホバ神は、あなたの祈りに応えてあなたに知恵を与えてくださるでしょう。　ヤコブ書は知恵に欠けた者が知恵を祈り求めるなら、エホバ神はとがめることなく知恵を与えてくださると約束しています。(ヤコブ1:5)あなたが思いつかなかったことをエホバ神は気づかせてくださるかもしれません。 

(3)いじめっ子の注意をひかない服装にする 　対処の仕方にはどんなものがありますか。 

　不良グループ特有の格好をするなら、標的にされやすくなります。以前不良グループにいた人はこう言います。「だれかが仲間でもないのに自分たちと同じような服装をしていれば、間違いなく攻撃の的になりました。その人はグループに入ることになるか、痛めつけられるかのどちらかでした。」聖書の基準にあった注意を引かない服装をしましょう。（テモテ第一2:9） 

(4)受け流して気にしないことも一つの対処策 

　相手が単に冗談半分でからかっているなら、気分を害するのではなく、笑って済ませましょう。聖書も「笑うのに時がある。」と述べています。（伝道の書3：4）「けんか腰の言葉を深刻に受け止めないようにするだけで丸く収まることもあります」とエリウという若者は言います。いじめる人は自分の言ったことに効果がないと分かると、いやがらせをやめるかもしれません。 

(5)温和さと冷静さを示して話してみる 

　箴言29章11節には、「愚鈍な者は自分の霊をさらけ出し、賢い者は最後までこれを穏やかに保つ」とあります。聖書は自分の感情をさらけ出すのではなく、感情を穏やかに保つように勧めています。 

　「温和な答えは激しい怒りを遠ざける」とも聖書は述べています。（箴言15：1）親切な答えによって緊張が和らぐこともあります。その結果、事態が悪化するのを防ぐことができるかもしれません。「怒ることに遅い者は言い争いを静める」と聖書は述べています。（箴言15：18） 

　「怒ることに遅い人は力ある者に勝る」とも聖書は述べています。（箴言16：32）温和な人は、力の強いいじめっこより勝っているのです。温和な人は本当に強い人なのです。　問題を終わらせるために、自殺をしてしまう人は確かに強い人とは言えません。自分の感情を自制して温和さを保てる人は強い人です。いじめに遭っているなら、攻撃的な態度を避けつつ、思っていることをはっきり伝えてください。きっぱりした態度でやめてと言いましょう。穏やかに立ち去ります。 

(6)身を守るために危険な状況を避ける 

　事態が手に負えないようなら、逃げ道を見つける必要があるでしょう。箴言17章14節は、「言い争いが突然始まってしまう前にそこを去れ」と述べています。ですから、口論が激しくなる前にそこを立ち去りましょう。今にも暴力を振るわれそうなら、走って逃げてください。 

危険な状況に直面しそうだったら走って逃げましょう

 

　ハイローは、「けんかが始まりそうだと分かったら、かかわりを持たずに家に帰ることです。周りにたかっている子もいますが、そんな時に問題に巻き込まれるんです。」とアドバイスしています。 

　　走っていじめの現場から逃げましょう 

　箴言はさらに、「災いを見た明敏な者は身を隠した。進んで行った経験のない者は報いを身に受けた。」と助言しています。（箴言27：12）いじめが起こりやすい状況があるなら、できるだけ前もってその状況から逃れましょう。例えば、スクールバスでの登校がいじめに遭う機会になっているなら、他の登校手段を探すことができるのではないでしょうか。 

(7)問題を黙っているのではなく親や先生や助けを与えてくれる人に打ち明けて助けを求める 

　聖書は孤立するならば、実際的な知恵を欠けてしまうことを述べています。(箴言18:1)若くて未経験であるということは、実際的な知恵が欠けがちであることを意味します。 

孤立するなら実際的な知恵に欠けてしまうと聖書は述べている若い未経験な人は知恵に欠けがちです

　誰も助けてくれないと考えるのではなく、エホバ神に祈った後、親や先生や他の相談機関など助けを与えることのできる所に相談しましょう。それらの人々は、あなたが決して考え付かない対処策を提案してくれるかもしれません。　親はあなたの身に何が起きているかを当然知る権利があります。また、実際的なアドバイスを与えることもできます。例えば、生徒指導の先生などに事情を話すよう勧めるかもしれません。親や先生は慎重に問題を扱い、被害にさらに遭うことのないようにしてくれるでしょう。 

あなたの親や先生やカウンセラーにあなたがいじめられている状況を詳しく説明してください

　また、事態があなたにとって深刻であることを大人が気づかなかったり、大人があなたの言うことを本気にせずに、考えすぎだと考えたりすることもあります。ですから、一度話して相手にされなかったり、問題を取り扱ってもらえなくても、あきらめてはなりません。何度も状況をよく説明する必要があります。　聖書の中には不当な扱いを受けたやもめが裁き人に何度も自分の抱える問題を訴えたことが記されています。そのやもめはあきらめなかったので、自分の問題を公正に扱ってもらえました。(ルカ18:3-8)それで、何度も親や先生、カウンセラーなどの権威のある大人に相談しましょう。 

不当な扱いを受けていたやもめは公正に取り扱ってもらえるまであきらめないで権威のある人に訴えました親や先生・カウンセラー・警察などにあきらめないで相談し続けてください

 (7)聖書の知恵に頼りましょう　聖書は知恵の宝庫です。聖書の原則に依り頼むなら必ずうまくいきます。また、エホバ神は、あなたが聖書に頼ったので、あなたの信仰に報いて助けてくださるでしょう。聖書を読んで、聖書の知恵に精通するようにすることもいじめに対処する助けになります。 

聖書は知恵の宝庫であなたを賢くします

 

聖書を読んでいじめに対処しましょう 

　クリスチャンの若者は、いじめに対してなすすべがないわけでも、ただ耐えなければならないわけでもありません。何も対処をせずに、自殺をして問題を終わらせるというような愚かな行動はとらないようにしてください。

むしろ、エホバ神に祈って、問題を緩和できるよう何でも、対策をとり、今考えた提案を活用して、その状況をコントロールするようにしましょう。 

　そのようにして、エホバ神により頼んで成功する経験を積むことになります。エホバ神への信頼はまし加わります。そして、あなたは、さらに知恵のある大人へと成長していけます。エホバ神との親密な関係により、あなたは安定性を増し加えていくことができます。学校での性的いやがらせに対処する結婚で享受できる性から喜びを得る－夫劣等感を克服する若い人のうつ病－小さな苦痛を処理する実際的な方法