詩編91編・長い日々をもって満ち足り神の救いを見る

聖書は迫害によって命を失う可能性を否定してはいません。イエスは神の民が迫害され命を失う場合があることを予告されました。(マタイ23:34。啓示16:6;18:24)しかし、一方聖書は神に依り頼む者たちが神の救いを見て、長寿によって満ち足りることも予告しています。　そして、苦難を乗り越えて長寿を享受した神の僕についても聖書は述べています。どんな人たちがいるでしょうか。そのためにどのようにすることが求められますか。　例えば、神の民で長寿を経験した預言者ダニエルと使徒ヨハネが有名です。預言者ダニエルは、エルサレムがバビロンによって陥落する前にバビロンに連れて来られ、バビロンの王宮で仕えました。(ダニエル1:1-3,6)彼は、バビロンが滅びてペルシャに移り変わるのも目撃しました。そして、ペルシャの王宮でしばらく仕えました。彼は、90代、ひょっとすると100歳前後まで生きたと考えられています。　ダニエルは何度も苦難を経験しました。ダニエルは、バビロンの王が預言的な夢を見た時に、それを解き明かしのできない賢人の一人として命を失う危機に直面しました。(ダニエル2:12,13)ダニエルは神に憐みを祈り求め、首尾よく王の見た預言的な夢の意味を解釈しました。(ダニエル2:18,19)ダニエルは神の救いを見ました。　また、ペルシャ王の下で、毎日神に祈る習慣をやめなかったので、ライオンのいる穴に投げ込まれました。(ダニエル6:16)神はみ使いによってライオンの口をふさがれたので、ダニエルは救い出され、ダニエルを滅ぼそうとした敵たちが代わってその穴に投げ込まれました。(ダニエル6:22-24)

Daniel in the Lions' Den by Beesnest McClain (daniel1)ダニエルは神に依り頼んだのでライオンの穴に入れられましたが神の救いを見ましたダニエルは神の助けによって長生きしました　　ダニエルは苦難に直面した時、神に頼りました。詩編91編では、神の僕が「神の翼の下に避難する」ので、神の僕が「邪悪な者たちの応報を見る」と述べられています。(詩編91:4,8)ダニエルは、神の民を捕えて解放しなかったバビロンがメディア・ペルシャによって滅ぼされるのを目撃しました。(ダニエル5:29,30)　また、使徒ヨハネは晩年になって、王国を忠実に宣べ伝えたために、パトモス島に流刑にされました。ヨハネはそこで、神から将来についての預言的な幻を与えられました。(啓示1:9)ヨハネはその時与えられた音信を仲間のクリスチャンに伝えるために、パトモス島から解放されたと考えられています。　　そして、その後、ヨハネによる福音書と、ヨハネの三通の手紙を書きました。ヨハネはとても長生きしました。ヨハネも90代ぐらいまで生きていたのかもしれません。　ヨハネもその時代の国家の大きな移り変わりを目撃しました。ヨハネは、エルサレムをローマ帝国が攻撃する前に、イエスの助言に従ってペラという山地の町に逃げていと考えられます。彼も、クリスチャンを迫害していたユダヤ人の滅びを見る結果になりました。　　神に依り頼むクリスチャンは、「エホバはわたしの避難所です。」と言い、「至高者ご自身を自分の住まいとし」ます。(詩編91:9)長野県の御嶽山が噴火した時、無数の噴石が飛んできました。それらの噴石に当たって多くの人が死にました。しかし、山小屋へ避難することのできた多くの人は、山小屋によって保護されました。それらの人は、噴火が収まった後、下山して生き永らえることができました。

Alpsdake (mountainhut)多くの人は御嶽山の噴火の時山小屋に逃れて生き永らえました苦難の時に神に祈るのは避難所に避難するようなものです　それで、エホバ神の存在は私たちにとって避難所のようなものです。エホバ神に頼って祈るかどうかは、時に私たちの命を左右します。エホバ神との関係を持っているために、神の僕は生き永らえることができる場合があります。　神は「彼はわたしを呼び求め、わたしは彼に答える。わたしは苦難のときに彼と共にいるであろう。わたしは彼を助け出し、彼に栄光を授ける。」と言われています。(詩編91:15)ダニエルやヨハネも、苦難に直面した時、神に救いを呼び求めました。それで、私たちは、苦難の時に他の誰でもなく、エホバ神に救いと助けを呼び求めることが大切です。　さらに、ふだん、神に「愛情を傾け」ることが大切です。ダニエルは、毎日三度祈るという習慣を続けて神に愛情を傾けていました。そうするならば、「逃れさせ」てくださると述べられていました。 (詩編91:14)　ですから、私たちは毎日神の言葉聖書を読み、神の言葉を当てはめましょう。そして、絶えず神に祈り、神を賛美しましょう。そうする時、神の救いを見て、長い日々で満ち足りる結果になる可能性は高いでしょう。できるだけ長い期間にわたって神に奉仕することができることは良いことです。

Image from page 62 of "Illustrated songs and hymns for the little ones" (1858)by Internet Archive Book Images(prayer34)毎日絶えず神に祈ることは神の救いを見て長い日々で満ち足りる結果になる可能性が高いでしょう　しかし、聖書は天的希望を持つ者たちが、最後には、この地上での命を終わらせなければならないことを述べています。そして、天的希望を持つ者たちが地上で死に、神の王国の成員の定員が満ちることによって神の王国は実現することになります。(啓示14:1)しかし、いずれにしても、神のご意志を行うために命を落とすとしても、復活が約束されているのですから、永遠の命が保証されています。(マタイ19:28,29)　一方、数えきれない大群衆は大患難を生き残って神に奉仕することになることが予告されています。 (啓示7:13,14)　しかし、天的希望を持つ者たちも、エホバ神は聖書の中で、神に依り頼む人に長い日々を享受させると約束してくださっているので、苦難に直面しながらも、この地上である程度の期間長く奉仕することができるでしょう。