啓示15・16章－七人のみ使いが七つの災厄を注ぎ出す(8)聖なる所に雲のため誰も入れないとは?

  七人のみ使いの聖なる所が煙で満たされ、七人のみ使いが神の怒りの鉢を注ぎ出す間、聖なる所に誰も入れませんでした。(啓示15:8)これは、何を意味するのでしょうか。 

(1)聖なる所が煙で満たされるとは何を意味するか 

　七人のみ使いが四つの生き物から神の怒りを満たした鉢を与えられると、聖なる所が煙で満たされるとは何を意味するのでしょうか。(啓示15:6)聖なる所が煙で満たされるのは、神の支持と是認の表明です。七人のみ使いが、エホバ神と天のみ使いたちの支援と是認と助けを得ていることを示しています。 

聖なる所が雲で満たされたのは七人の使いに対する神の是認の表明 

　なぜなら、昔、ソロモン王による神殿の奉献式の際、「雲」がエホバの家に満ち、「祭司たちは雲のために立ってその勤めをすることができ」ませんでした。(列王第一8:10,11)これは、神が生じさせた雲で、その神殿が神に受け入れられていることを示していました。 

　それで、七人のみ使いが出て来た聖なる所が煙で満たされるとは、神の是認が七人のみ使いにあることを示すためでした。七人のみ使いは、何らかの神の奇跡的な是認の表明を経験することになるのでしょう。 

(2)聖なる所に誰も入ることはできなかったことは何を意味するか 

　七人の使いが七つの災厄を注ぎ出し終えるまでは、だれも聖なる所に入ることはできませんでした。(啓示15:8)これ、七人の使い以外、ふさわしくない者が聖なる所に入らなかったことを示していると思います。なぜなら、 聖書の中には、資格のない欠陥のある者が聖なる所に入ることが良くないされ、聖なる所を汚すと言われています。(レビ21:23) 

七人の使いが奉仕を終わるまで誰も聖なるところに入ることができなかったことは七人の使いが神の高い基準を保てたことを示している 

　さらに、レビ記の中では、「身に汚れがありながら」・・・「聖なる事物に近づく者がいれば，その魂はわたしの前から断たれねばならない。」とされていました。ですから、汚れた者が聖なる所に入ることはエホバ神の不興を買うことでした。(レビ22:3) 

  また、聖なる所に「嫌悪すべきもの」、つまり、偶像を携え入れたり、偶像崇拝者が聖なる所に入って来るなら、聖なる所を汚すことになります。(エゼキエル5:11;23:39) 

    しかし、七人の使い以外聖なる所に入ることができないということは、聖なる所が汚されないこと、清さを首尾よく保ったことを意味しています。それで、おそらく七人の使いは、神の高い基準を首尾よく守って、自分たちの聖なる所が汚されないようにすることに成功するのでしょう。 

(3)七人の使いとエゼキエル書のザドクの子らの祭司たちの類似性 

　エゼキエル書の預言では、レビの子ら、つまり神の奉仕者たちが、偶像崇拝でさまよった時に、エホバに忠実に祭司の職務を果たす者たちが存在することが預言されています。そこには、周囲の神の民が偶像崇拝に陥っていた時に、「ザドクの子ら，レビの祭司たち」は、「わたしの聖なる所の務めを行なった」と記されています。ですから、他のクリスチャンたちが不忠実になった時に、ザドクの子らの祭司たちは、神に対する忠実を保ちました。(エゼキエル44:10,15;48:11) 

ダビデの時代のザドクのように生涯神に忠実を保つ祭司級のクリスチャンが最後の者たちの七人の使いと共通するかもしれない 

　ザドクの子らの祭司たちは、自分たちの聖なる所に、偶像崇拝を持ちこんで、聖なる場所を汚さなかったことを示しています。このことは、七人の使いが、エゼキエル書に出て来るザドクの祭司の子らを意味することを示唆するのではないかと思います。 

(4)神の奴隷の忠実さに対する報い 

　これは、容易なことではなく、世間の一般的な潮流ではないでしょうし、七人の使いが孤立無援に見えることもあるでしょう。彼らは、み言葉のゆえに、首尾よく、野獣の崇拝に陥らないように助けられるのでしょう。み言葉は、野獣の崇拝を非としています。彼らは、み言葉で自分の身を洗うことによって、野獣の崇拝から勝利を得ます。偶像崇拝に陥らないように助けられるのです。 

　しかし、七人の使いが神の言葉に忠実に従っていれば、確かにエホバ神の是認と支援を得ることでしょう。そして、イエスは、忠実な神の奴隷の忠実さに報いて、その奴隷にご自分のすべての持ち物をゆだねると言われています。(マタイ24:45-47)それで、七人の使いの系統は、神に忠実であれば、現世においても、目に見える形で報いを得られることになるでしょう。 

　それで、七人の使いたちは、首尾よく、忠実を保ち高い道徳的な基準を保つように努力を払います。至らないところはキリストの贖いの犠牲に頼ります。それゆえに、彼らの聖なる所には、誰も入ることができません。それで、彼らの聖なる所が煙で満たされたとは、七人のみ使いが何らかの形で、神の是認を得ていることが示されることを意味しているでしょう。