啓示17章・大娼婦は地の王たちの上に王国を持つ大いなる都市

啓示17章・大娼婦は地の王たちの上に王国を持つ大いなる都市

「そして，あなたの見た女は，地の王たちの上に王国を持つ大いなる都市を表わしている。」（啓示17：18）

啓示の17章の最後の節は冒頭のように大娼婦を描写しています。この描写はアメリカに当てはまりますか。

王国とは政府の支配権という意味でしょう。（啓示17：17）ですから、娼婦が地の王たちの上に王国を持つとは、大いなるバビロンが地の王たちの上に支配権を行使していることを意味するでしょう。

聖書の中では、「大いなる都市」という呼称で国家を呼んでいます。たとえば、ユダ王国は、「大いなる都市」と呼ばれて滅ぼされることが予告されました。(エレミヤ22：8)それで、大いなる都市と呼ばれている大いなるバビロンが国家を表わすのは妥当なことです。

アメリカは地の王たちの上に支配権を行使していると言えますか。アメリカ合衆国は世界一の経済大国です。2005年2月現在、アメリカの人口は2億9500万人で、世界の総人口64億2100万人の4．6％を占めています。アメリカの国内総生産は、11兆ドルを超えており、たった一国で世界全体の実に3分の一の規模に達しています。(このアメリカの国内総生産に関するデータだけは、下記に参考文献として掲載されることが許可されなかった文献からのデータですが、信頼できる文献からの引用です。)

さらに、アメリカ国防省などの資料によると2001年のアメリカの軍事費は、3220億ドルです。この軍事費は二位以下の十一カ国の軍事費を合計した額を超えています。国防総省の2006年度予算は、4200億ドルで、アメリカ合衆国のみで世界の国防支出総額の40％を占めています。武器の輸出においても、アメリカは54．9億ドル分を輸出しており、世界一位です。兵器を輸出することにより、アメリカ合衆国は世界各国との関係を緊密化しています。

また、2004年の調査によると、アメリカ軍は140万人以上の兵士を擁しており、2002年の時点でドイツ、日本、韓国など世界各地の基地や洋上に31万人7千人のアメリカ兵が駐屯しています。

そして、世界の地域ごとに、五つの統合軍を結成しています。宇宙とアメリカ本土を担当する「北方軍」、中南米を担当する「南方軍」、アジア太平洋全域を担当する「太平洋軍」、ヨーロッパとアフリカの大半を担当する「欧州軍」、中央アジア、中東、アフリカ北東部を担当する「中央軍」です。

また、アメリカ合衆国には、CIA（中央情報局）や、NSA（国家安全保障局）などの、情報収集のための組織があります。CIA は、2004年4月現在、世界中に2万7000人の職員を抱える巨大組織で、大統領など国家安全保障会議のメンバーに世界中の安全保障に関わる情報を定例報告することを任務としていました。NSAは、世界中の電話、ファックス、インターネットを傍受していると言われています。

確かに、アメリカ合衆国は地の王たちの上に支配権を行使している政治国家となっています。その実力があります。大いなるバビロンに関するこの聖書の描写もアメリカに良く当てはまっています。

〔参考文献〕

最新アメリカ合衆国要覧　　外務省北米局監修　2002年　　

東京書籍

異文化社会アメリカ　改訂版　示村陽一著　2006年　

株式会社研究社

面白いほどよくわかるアメリカ　鈴木晟・荒木教夫　2006年　日本文芸社

経済学論集　瀬戸岡紘著　2008年　駒沢大学経済学会　

図解ひと目でわかる！アメリカ大統領　龍崎孝著　

2004年　学習研究社

図解アメリカのしくみ　Version2　柳沢賢一郎編著　

2002年　(株)中経出版

わからなくなった人のためのアメリカ学入門　2003年　洋泉社