最後の説教 孫 良源牧師

ラスベガス日本人教会  砂漠の地ラスベガスから乾いた心に命の水を

(前回のブログの続き)

38歳の時に神社参拝反対の罪で投獄され、5年間獄中にいたソン牧師は、終戦により韓国が日本軍からの開放を受け、釈放となりました。その間、7人の家族はバラバラになりました。子供たちは孤児院に預けられたり、山の中で逃亡生活をしてその間をしのぎ暮らしました。貧しく食べる物にも飢えていましたが、神様に信頼し、信仰に固く立ち、それぞれが祈り、置かれた場所で主への礼拝を守っていたのです。父ソン牧師が釈放され、奇跡的に家族がまた一つになる事ができました。一時は「もう生きた父とはこの世では会えないと思いなさい」と、母は子供達に伝えた事もあったのです。死刑を言い渡されていた父の生還は、神が与えてくださった奇跡と祝福だったのです。

しかし、ソン牧師の釈放から3年後、更なる大きな出来事がおきました。長男と次男の殉教です。その日、息子達が住んでいた町に反乱軍による暴動がおき、無差別な殺人がおきていました。反乱軍に対抗するために警察署と国防警察隊は命をかけて戦いましたが、全員戦死をし、息子達の住んでいた町は無法地帯となり、凄惨な血の海になったのです。反乱軍は、人民軍に反対する人をくまなく探し出すのを目的としていましたが、その中にはクリスチャンも含んでいました。ソン牧師の長男はキリスト者学生会の会長をしていた事もあり、彼らが最も捕らえたかったクリスチャンの一人でした。2人の息子は狂気に満ちた反乱軍に捕まえられた時、死刑場まで連れて行かれる時、銃口を向けられ引き金が引かれるその時まで、主を証し、自分達を殺す者たちへ伝道し祈りを捧げて、主の御元に行く事を喜び、殉教を遂げました。長男25歳、次男19歳の若さでした。

4日後、両親、家族の元に殉教の連絡が入りました。家族中が悲しみにつつまれ、母は何度も気絶をするほどの悲しみでした。しかしその時、特別集会の為に来ていた伝道師が父ソン牧師にかけた言葉で世界が変わりました。「ソン牧師しっかりしてください。私達はかつて監獄で殉教することを願いましたが、神様は私達の殉教を許しませんでした。今日若くして美しい二人の息子を殉教のいけにえとして捧げたことがそんなにおしいですか?悲しむ事ではありません。もっと良い天国に行ったのです。むしろ喜ぶべきです」

埋葬式の日、ソン牧師は挨拶の席で「9つの感謝」を読み上げました。その中の一つが、

「わたしの愛する息子を射殺した敵を悔い改めさせ、私の養子として受け入れる愛の心を与えてくださった神に感謝します」

この感謝の言葉が現実となりました。その後、息子2人を射殺した犯人が捕らえられ、死刑が執行される日に、自分の息子として受け入れたのです。その日、特別集会の御用があり、犯人釈放に出向く事ができなかったソン牧師は中学生の娘をその場に送りました。そこで娘が父の代わり述べた言葉は

「父は2人の兄を殺した人が捕まったら、一度でも殴られないように、殺されないようにと言いました。聖書には敵を愛しなさいと書かれているから、彼を救って息子として受け入れると言いました」

その場にいた人々の目からは、敵であろうと、涙が流れ落ちたのです。

ソン牧師はこの青年を息子として受け入れ、信仰を与え、一生涯愛しぬきました。ソン牧師はこの2年後、北と南の戦いの中、共産軍に連行され、そのまま殉教の死を遂げました。ソン牧師のこの世での最後の説教は「死に至るまで忠実でありなさい」でした。まさに殉教を予感させる説教が与えられていたのです。

「・・・・死ぬ日まで忍耐する力も忠実です。毎日様々な試練にあうときに、忍耐、また忍耐しながら一歩前進する生活が、忠実です。同時に、それが殉教生活です。汗を流しながら働き、涙を流しながら祈り、血を流すまで罪と戦うことが忠実であり、殉教です。だから汗も血も尊いものです。今日の1日が自分の1日であり、今この時間が自分の時間であることを知っている人が、日々忠実に歩む事ができ、一瞬一瞬、殉教の覚悟をすることができます。喜びを持ち感謝しながら、死に至るまで忠実でありましょう・・・」

この説教の16日後、ソン牧師は射殺され、殉教されました。最後の最後まで、共に連行されていた隣人に「イエスを信じ、悔い改めれば永遠の命が与えられる」と伝道したのです。連行されてきた人々が次々と射殺される中、ソン牧師が最後に兄弟に残した言葉です。

「兄弟、祈ってくれ。どんな瞬間にも祈りを忘れてはいけない。神が力を与えてくださる。さあ、天国で会おう」

(LVJCCブログ制作チーム:薫)

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