人は誰でも変わることができる”
ラスベガス日本人教会 砂漠の地ラスベガスから乾いた心に命の水を
今日は、
”人は誰でも変わることができる”ということを考えてみました。
一人の少年が、野球のバットとボールを持って裏庭に出ました。「僕は世界一のバッターだ」。彼は自分にそう言い聞かせて、ボールを宙に放り上げバットを振りました。しかし、結果は空振りです。彼は迷わずボールを拾うと、再び放り上げ「僕は世界一のバッターだ」と言いながらバットを振りました。また空振りです。彼は、さらに集中力を高めながら再びボールを放り上げ、さっきよりも更にきっぱりとこう言います。「僕は世界一のバッターだ!」。そして。力いっぱいバットを振りました。三度目の空振りです。少年はバットを地面に置くと、満面の笑みを浮かべて言いました。「わかったぞ。僕は世界一のピッチャーなんだ!」 実に、見上げた姿勢です。彼は物事の明るい側面を見ようとしています。物事が思うようにいかないときは、不満を言う代わりに、その状況の中から良い部分を探し、明るい考えで心を満たすなら、その明るい考えがその人の人生を形作っていくことになります。心理学者のウィリアム・ジェイムスは、『今世紀最大の発見は、心構えを変えることで人生を変えられるということがわかったことである』と言いました。感動的な女性の話をご紹介します。その女性は何をしても続かない人でした。
田舎から東京の大学に来て、サークルに入るものの、すぐにイヤになって所属を変えるような人でした。そんな彼女にも、やがて就職の時期が来ます。最初の就職先はある食品メーカーでした。しかし、勤め始めて3ヵ月で上司と衝突し、辞めてしまいます。
それ以降に就職する会社も、「つまらない」、「やりたくない」、「私のやりたかったことじゃない」と就職しては辞めてしまうの繰り返しでした。そうしたことを繰り返していくうちに、彼女の履歴書は入社と退社の繰り返しになり、ついに、彼女を正社員として雇うところはなくなってしまいました。
生活のためには働かなくてはならない。結局、彼女は派遣会社に登録します。ところが派遣も勤まりません。派遣先の社員とトラブルを起こしては辞めてしまう・・・。彼女の履歴書には辞めた派遣先のリストが長々と追加されることになります。そんな日々が続いたある日のことです。彼女に新しい仕事がやって来ました。スーパーのレジ打ちの仕事です。当時のレジは今のものとは違い、いちいち値段をキーボードに打ち込まなければならず、タイピングの訓練が必要でした。ところが、勤めて1週間も経たないうちに、「私はこんな単純作業のためにいるのではない」と考えるようになりました。
そんな事を思っていた矢先、彼女のお母さんから電話がかかってきました。
「帰っておいでよ」
受話器の向こうからお母さんの優しい声が聞こえてきました。
母の一言で決心し、辞表を書き、荷物をまとめ出したとき、机の引き出しの奥から1冊のノートを見つけました。小さい頃に書きつづった大切な日記でした。そのノートに「ピアニストになりたい」とはっきりと書かれていたページを彼女は見つけました。彼女が唯一続けられたもの、それがピアノの練習でした。「今また嫌になって逃げ出そうとしている」....そして思い起こしたかのように、お母さんに泣きながら電話するのです。「お母さん、私、もう少しここでがんばる」と....
彼女は辞表を破り捨て、翌日も単調なレジ打ちの仕事をするために出勤します。
ある時、「2、3日でもいいから」と頑張っていた彼女に、ふと考えが浮かびます。
「ピアノを練習していくうちに鍵盤を見ずに弾けるようになった・・・」と
そして、心に決めたのです。
「そうだ、私流にレジ打ちを極めてみよう!」
彼女はキーの配置を覚え、ピアノを弾く気持ちでレジを打ち始めました。すると、不思議なことに、これまでレジしか見ていなかった彼女は、今まで見もしなかったところへ目がいくようになったのです。
最初に目に映ったのはお客の様子でした。「ああ、あのお客さん、昨日も来ていたな」、「ちょうどこの時間になったら子ども連れで来るんだ」、「この人は安売りのものを中心に買う」、「この人は高いものしか買わない」など・・・。
そんなある日、いつも期限切れ間近の安い物ばかり買うおばあちゃんが5000円もする尾頭付きの立派な鯛をカゴに入れてレジへ持ってきたのです。
彼女はびっくりして、思わずおばあちゃんに話しかけました。
「今日は何かいいことがあったのですか?」
「孫がね、水泳の賞を取ったんだよ。」
「いいですね。おめでとうございます!」
これがきっかけで、彼女はたくさんのお客様とお話ができるようになったのです。
ある日のことでした。
「今日はすごく忙しい」と思うほど、忙しい日でした。
そして店内放送が響きました。
「本日は込み合いまして大変申し訳ございません。どうぞ空いているレジにお回りください」
ところが、わずかな間を置いて、また放送が入ります。
「本日は込み合いまして大変申し訳ございません。重ねて申し上げますが、どうぞ空いているレジにお回りください」
そして3回目、同じ放送が聞こえてきた時に、初めて彼女はおかしいと気付いたのです。そして周りを見て驚きました。お客様は彼女のレジにしか並んでいなかったのです。店長はお客様に「どうぞ空いているあちらのレジへお回りください」と言った、その時でした。
「私はここへ買い物に来ているんじゃない。あの人としゃべりに来ているんだ。だからこのレジじゃないとイヤなんだ」
その瞬間、彼女はワッと泣き崩れました。
その姿を見て、お客様が店長に言いました。
「そうそう。私たちはこの人と話をするのが楽しみで来てるんだ。今日の特売はほかのスーパーでもやってるよ。だけど私は、このお姉さんと話をするためにここへ来ているんだ。だからこのレジへ並ばせておくれよ」
彼女はポロポロと泣き崩れたまま、レジを打つことができませんでした。
仕事というのはこれほど素晴らしいものだと、初めて気付いたのです。
そうです。すでに彼女は、昔の自分ではなくなっていたのです。
今日の一言: 人は誰でも変わることができる鶴田健次
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