『歎異抄』と福音 第五回 『教行信証』と『キリスト教綱要』

聖書に出てくる用語、クリスチャンが使う用語を説明しています。 ヘブル的視点で解説されていますので、すでにクリスチャン歴が長い方にも新しい発見があるかもしれません。

親鸞には『教行信証』という主著があり、これはキリスト教では組織神学にあたるものだ。『キリスト教綱要』を著した宗教改革者ジャン・カルヴァンに似て、親鸞は年月をかけて自らの思想の組織化に挑み続けた人である。その苦闘の中から、明快な話し言葉が生み出されたのだろう。唯円が『歎異抄』の第一章冒頭に記した一文には、親鸞の思想のエッセンスが図らずも表されている。それは、教え・行い・信心・覚りの教・行・信・証である。

◇「弥陀の誓願不思議にたすけられまいらせて、往生をばとぐるなりと信じて、念仏まうさんとおもひたつこゝろのをこるとき、すなはち摂取不捨の利益にあづけしめたまふなり。」(第一章)|阿弥陀仏の思いもよらない誓願に助けていただいて、極楽に行くことができるのだと信じて、阿弥陀仏の名を称えようと決心したまさにその時、決定的な救いの恩恵に与らせていただけるのです。
教え(教)とは、阿弥陀仏が立てた誓願が今や成就して、極楽が作られて、阿弥陀仏は自分を頼る者をそこへ迎えてくださるという神話的物語である。
極楽は原語のサンスクリットではスカーヴァティーといい、幸福に満ちた場所を意味する。浄土・安楽国・安養国などとも漢訳され、極楽浄土と重ねて書かれることもある。極楽の情景は、中心に豊かな水をたたえた蓮池があり、周囲は木々で囲まれて、風がふくと妙なる音が流れるという。金・銀・瑠璃・水晶等の宝石が多用されていることを除けば、これは焦熱の国におけるオアシスのイメージだ。古代インド人の憧れた風景が、極楽には投影されている。
行い(行)とは、念仏のことである。本来、念仏とは瞑想修行であり、心中に極楽の阿弥陀仏を思い浮かべるまでに精神を集中させる行である。しかし、法然は南無阿弥陀仏と口で称えるだけでよいとした。南無は原語ではナマスであり、敬意や崇敬を意味する。阿弥陀仏を崇拝しますと口で告白するだけでよい。この易しい行(易行)が口称念仏であった。
信心(信)とは、極楽に招いてくださる阿弥陀仏の誓願を信じる心である。法然は南無阿弥陀仏と口で称えるだけでよいとした。親鸞は教えを信じ、名を称えようと決心した時に救いは決まるとした。信心にこだわる親鸞は、内面化を深めていく。
覚り(証)とは、「摂取不捨の利益」と表現されている。阿弥陀仏が信者を包み取って、決して捨てないことだ。言い換えれば、阿弥陀仏が極楽に必ず生まれさせてくださることで、それは即ち究極の覚りに至るということだ。「摂取不捨」という表現は、キリスト教の「聖徒の堅忍」という教理に似ている。キリストの救いに一たび与った者は、堅く守られて決して失われることはないということ。聖徒の堅忍とは、キリストにある「摂取不捨」であると、仏教用語を使って言うことができるだろう。

教行信証の教えが、第一章の冒頭にコンパクトに言い表されている。しかし、『教行信証』の正式名は『顕浄土真実教行証文類』であり、「信」が入っていない。さらに、この本の構成は、教・行・信・証・真仏土・化身土の六巻となっている。信巻は行巻から溢れ出ており、真仏土・化身土巻は証巻で収まりきらずに展開している。枠を破って書かれた部分はいずれも議論が込み入っている。親鸞は形式が崩れても、自らの問いにこだわり、追究をやめない論争家であったことを窺わせる。

今年は宗教改革五百周年だが、カルヴァンは一五三六年にプロテスタント最初の神学書となった『キリスト教綱要』初版の全六章を若干二十六歳で書いている。最初の四章は、律法・信仰・祈り・聖礼典と、ルターの小教理問答に倣うように整然とした構成で書かれている。その後に書き加える二章に、カルヴァンの本領が発揮されることになる。
第五章は「残る五つの礼典について」である。カトリック教会が聖礼典とする七つのうち、洗礼と聖餐以外の五つは誤りであると聖書を根拠に激しく論駁している。
第六章は「キリスト者の自由・教会の権能・政治統治」である。キリスト者の実際の生活を扱い、必然的に教会と国家の複雑な問題にまで議論を展開している。
カルヴァンは晩年まで二十余年をかけ『キリスト教綱要』最終版を四巻全八十章の神学体系へと完成させる。しかし、議論に熱が入って稿は拡大し、内面的な教理展開から権力批判に及ぶ論争家としての横顔は、若き日の初版に現れている。そんなことに、親鸞の『教行信証』が枠組みを壊して議論を深めていく姿と対比して、改めて気づかされた。内包する改革のマグマに触れたような思いである。

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