書評Books NPPに対する健全な検証とバランス感覚を得るために

聖書に出てくる用語、クリスチャンが使う用語を説明しています。 ヘブル的視点で解説されていますので、すでにクリスチャン歴が長い方にも新しい発見があるかもしれません。

日本キリスト改革長老教会東須磨教会牧師/神戸神学館教師/日本福音主義神学会西部部会理事長

坂井純人

『義認の未来 N・T・ライトに対する応答』
ジョン・パイパー 著
中台孝雄 訳
内田和彦 監訳
A5判 3,000円+税
いのちのことば社

本書は、NPP(New Perspective on Paul)の旗手N・T・ライトの業績に対して、敬意と対話を伴い、福音理解の本質を問うジョン・パイパーの真摯な労作である(パイパーは、入念にライトの著作を読み、本人から一万一千語を超える応答を得た結果、初稿の約二倍の最終稿に達している)。

本書は、NPPの業績とされる第二神殿時代の「契約遵守主義」理解にも多様性があることを改めて指摘し、さらに、ライトによる義認の本質は「救済論ではなく、教会論である」との主張の功罪、罪理解、キリストの服従による義の転嫁の否定の教説の問題点等を十一章にわたる本論、入念な脚注、浩瀚な「補遺」等で再検証している。いわば “New Perspective on Wright” とも言うべき内容となっている。

人は、キリストの服従が勝ち取った恵みのみを信じる信仰を通して救われるのか(宗教改革)、それとも、第一の義認は、神の民であることをいったん宣言するが、究極的には、信仰者の生き方を「土台」として、審判の日に完成(第二の義認)、あるいは、取り消されもするのか(ライト)。

キリストの服従が「代理的贖罪」のためであることを信ぜずして、神の民となり得るのか等。いわば、「救いの根拠と確かさ」「救いの確証」「誰が神の民なのか」をめぐる問いに対し、本書は、宗教改革の本筋に立って、ライトと対話し直している。

本書は、NPPの語る「第二神殿時代」のパウロを取り巻く信仰状況を理解する上で、一面的解釈と膨大な情報の波に吞まれずに、聖書学と教理史的検討課題を冷静に俯瞰して学ぶ上で、非常に貴重である。読者は、膨大なNPPの主張の要点とさらに再検証すべき課題を、本書を通して学ぶことができる。「ライトを読む人はすべて、パイパーを読むべき」との、ケンブリッジの聖書学研究所ティンデルハウスの館長ピーター・J・ウイリアムズの言葉も至言である(監訳者あとがきより)。

福音理解の追究に真摯な姿勢で仕える著者、訳者、監訳者の多大な労に、心からの謝辞を申し上げたい。

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