阪南大学名誉教授 村田充八
二〇二四年の夏も、ウクライナ、ガザをはじめ世界中で戦乱や紛争が続き、軍人や市民、子どもたちや女性たちが、尊い命を失っている。
メディアを通して、悲惨な現実に直面するとき、過去の戦争から何も学んでこなかった社会、何もできない自分のもどかしさを思う。頼みの綱の国連機関でさえ、戦争を止めることもできない。その間に、死者や飢餓状態の人々の数が、統計数字として積み上げられていく。
『旧約聖書』には、戦争の記事が溢れている。そのことをキリスト者は知っている。近刊、カナダの旧約学者ピーター・C・クレイギ『聖書と戦争―旧約聖書における戦争の問題―』(拙訳、改訂版二〇二四年刊)も参照していただきたい。戦いは、神の言葉に背き、神を神としない人間の行為として説明されている。
聖書には、神が人を創造された日、人は、「神に似せて」(創世記5・1、新共同訳)、「ご自分にかたどって」(創世記1・27、新共同訳)創造された。人は、神の似姿をもつ存在として、神の栄光を表すために創造された。堕落後、人は、「神のかたち」を喪失したが、主イエス・キリストの十字架の贖いによって、「神のかたち」を回復した。そのような人間が、悔い改めることもなく、戦争を繰り返す。他者や社会への想像力を喪失して攻撃を止めることもない。
主イエス・キリストは、「山上の説教」において、「平和をつくる者は幸いです。その人たちは神の子どもと呼ばれるからです」(マタイ5・9)と説かれた。この平和を「つくっていきなさい」という御言葉の重さを心にとめなければならない。「神の子ども」は、平和をつくるために生きる存在なのである。
神のかたちとして創造された人間の命には、何物にもかえがたい重さがある。人を殺すことは、神に背くことである。キリスト者として、尊厳ある人間の命を破壊する戦争は、神の秩序の破壊である。
創造の冠としての人間は、神の秩序の中に創造され、生かされていることを再確認し、もう一度、「平和をつくる者」として、どう生きていくべきかについて考えてみたいのである。
関連書籍
新刊
『聖書と戦争 旧約聖書における戦争の問題』
ピーター・C・クレイギ 著 村田充八 訳
B6判 256頁 定価2,200円(税込)
戦争や殺害の記述をどう読めばよいのか。聖書を神のことばと信じるクリスチャンにとって避けられない問題に正面から取り組み、平和をつくる者の使命を確認する。待望の復刊!(本書は1990年、すぐ書房から出版されました。)
『シャローム・ジャスティス 聖書の救いと平和』
ペリー・B・ヨーダー 著 河野克也、上村泰子 訳
四六判 320頁 定価2,530円(税込)
聖書は現実世界の矛盾にどう応えるのか。「シャローム」を物事が本来あるべき状態にあるという積極的な意味に捉え、聖書の救いと平和の本質に迫る。
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