エペソ書とキリストの戦い(3)

聖書に出てくる用語、クリスチャンが使う用語を説明しています。 ヘブル的視点で解説されていますので、すでにクリスチャン歴が長い方にも新しい発見があるかもしれません。

(その1 その2)

このミニシリーズではエペソ書における霊的戦いについて概観していますが、今回は後半の4-6章について見ていきます。

エペソ書6章の有名な「神の武具」の箇所を考えるとき、この部分が4章から始まる倫理的奨励の長いセクションに含まれていることを理解することは決定的に重要です。

3章までの前半部分でパウロは、歴史の中で神が展開してこられた救いの計画について述べ、その中で教会がどのような役割を与えているのかを説明してきました。それを受けて4章冒頭ではこう語られています:

1 さて、主にある囚人であるわたしは、あなたがたに勧める。あなたがたが召されたその召しにふさわしく歩き、2  できる限り謙虚で、かつ柔和であり、寛容を示し、愛をもって互に忍びあい、3  平和のきずなで結ばれて、聖霊による一致を守り続けるように努めなさい。(エペソ4章1-3節)

この部分は4章から6章まで続く倫理的奨励のセクションの要約といって良い部分です。ここでパウロは「召し」について語りますが、これはクリスチャン個人の召し(「自分は牧師に召されている」等)について語っているのではありません。ここでパウロは読者に対して「あなたがた」と複数形で語りかけていますが、「召し(クレーシス)」というギリシア語の名詞は単数形が使われています。つまり、ここでパウロが語っているのは、教会全体に与えられたただ一つの召し、すなわち、神の救いの計画の中で教会に与えられた役割について語っているのです。このように、パウロの手紙を近代的な個人主義の視点からではなく、共同体的な視点から読むことは大変重要です。

すでに見たように、神はキリストの復活と高挙を通して天にある支配や権威に勝利され、その祈念碑として地上に教会を打ち立てられました。この教会は、ユダヤ人と異邦人がキリストにあって一つとなることによって、天における敵対勢力の破壊的なわざをキャンセルし、神の知恵をこれらの霊的存在に対して知らしめる存在です。教会はこのような「召し」にふさわしい歩みをしていかなければならないとパウロは言います。「召し」をこのように理解すると、なぜ4章冒頭でパウロが教会の一致を強調しているかが理解しやすくなります。

この後、パウロは教会が一致し、愛によって建てあげられていくべきことをさまざまな角度から教えていきます。教会や家庭内における人間関係についてのパウロの教えは、このような「教会の召し」に照らして考えていかなければなりません。

さて、4章から続く長い倫理的奨励のセクションの最後は「神の武具」についての教え(6章10-20節)でしめくくられます。

10  最後に言う。主にあって、その偉大な力によって、強くなりなさい。11  悪魔の策略に対抗して立ちうるために、神の武具で身を固めなさい。12  わたしたちの戦いは、血肉に対するものではなく、もろもろの支配と、権威と、やみの世の主権者、また天上にいる悪の霊に対する戦いである。13  それだから、悪しき日にあたって、よく抵抗し、完全に勝ち抜いて、堅く立ちうるために、神の武具を身につけなさい。14  すなわち、立って真理の帯を腰にしめ、正義の胸当を胸につけ、15  平和の福音の備えを足にはき、16  その上に、信仰のたてを手に取りなさい。それをもって、悪しき者の放つ火の矢を消すことができるであろう。17  また、救のかぶとをかぶり、御霊の剣、すなわち、神の言を取りなさい。18  絶えず祈と願いをし、どんな時でも御霊によって祈り、そのために目をさましてうむことがなく、すべての聖徒のために祈りつづけなさい。19  また、わたしが口を開くときに語るべき言葉を賜わり、大胆に福音の奥義を明らかに示しうるように、わたしのためにも祈ってほしい。20  わたしはこの福音のための使節であり、そして鎖につながれているのであるが、つながれていても、語るべき時には大胆に語れるように祈ってほしい。
(エペソ6章10-20節)

ここで注意しなければならないのは、パウロは手紙の最後になって、突然取ってつけたように霊的戦いについて語り始めているわけではない、ということです。すでに見たように、霊的戦いのテーマは1章から6章まで、エペソ書全体を貫く一貫したテーマでした。パウロにとって霊的戦いとは、まず天においてキリストが敵対する霊的勢力に勝利されたということであり、その勝利を受けて教会が地上において行う戦いです。したがって、ここでパウロが語っている戦いは、ごく限られた専門家が行うべき特殊なミニストリーではありません。パウロは悪霊追い出しにすら直接言及していないのです。(意外に思う人もあるかも知れませんが、パウロの手紙の中で悪霊追い出しについて述べている箇所は一つもありません)。

4章からパウロは教会がその「召し」にふさわしく歩むため、クリスチャンが具体的にどのように信仰生活を送っていくべきか、実践的アドバイスを与えてきました。そのような文脈の中でパウロは霊的戦いについて語りはじめます。つまり、ここで語られているのは、すべてのクリスチャンの日常の信仰生活における戦いなのです。だからといって、そのような戦いが重要でないとかレベルが低いということではありません。教会の霊的戦いは、天にある「支配」や「権威」といった霊的存在に対して大きな力を持っているのです。

次回は、「神の武具」の箇所についてさらに深く見ていきます。

(続く)

 

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