すると突然、この天使とともに天の大軍勢が現れ、神を賛美して言った。
「いと高きところには神に栄光
そして地の上には御心に適う人々に平和。」
(ルカ2章13―14節私訳)
アドベントも3週目を迎え、クリスマスは来週月曜日に迫りました。多くの教会では24日の日曜日にクリスマス礼拝を行うのではないかと思います。
すでに別の記事でも書きましたが、今年は誰もが常にもまして「平和」について考えさせられるクリスマスシーズンを迎えているのではないかと思います。イエス生誕の地とされるベツレヘムでは、今年は街が封鎖されて出入りができなくなり、例年なら大勢訪れる観光客の姿もなく、異様な雰囲気に包まれているようです。今週行われたローザンヌ神学作業部会のオンライン会議で、ベツレヘム在住のメンバーであるグレース・アル・ズグビー博士が現地の様子を伝えてくれましたが、今のような緊迫した状況はこれまで経験したことがないと語っていました。次の朝日新聞のニュース動画でもベツレヘムのクリスマスについてレポートされていますが、瓦礫の中に置かれた幼子イエス像が象徴的です。
今日は在宅で仕事をしていましたが、書斎でずっとリピートしていた曲があります。それはU2のPeace on Earthです。
U2には明確にキリスト教的な内容をもった曲がたくさんありますが、これもその一つです。ちょうど所属教会のキャンドルサービスで語る説教を作っていた時に、ふと思い出して聴いたのですが、そこで歌われている歌詞が心に刺さって抜けなくなりました。全曲訳すことはしませんが、断片的に私訳で紹介します。
天の国を地上に
それこそ今必要なもの
・・・
「地には平和が来る」と
何度も何度も聞かされるのはうんざりだ
・・・
おまえは怪物になる
怪物にやられないようにと
・・・
イエスよ、溺れる者に
命綱を投げてください
・・・
平和を求める母親のように
叫ぶ者はだれもいない
・・・
(犠牲者たちの)いのちは
どんな偉大な思想よりも大きい
・・・
イエスよ、あなたが書いた歌の中で
「地には平和」という歌詞が
のどにつかえて出てこない
クリスマスの時にはいつだって
「地には平和」と聞くけれど
希望と歴史が韻を踏まないなら
そんな平和にいったい何の価値があるのか
2000年に発表されたこの歌は、元々は1998年8月15日に北アイルランドで起こったオマー爆破事件について作られたものですが、その後アメリカの9・11テロの時にも注目を集めました。そして、おそらく今年も多くの人々が世界中でこの歌を聴き、歌っていることでしょう。このようなメッセージの歌をたびたび思い起こさなければならないということは、ある意味悲しむべきことです。人類は過去2千年間、いつでも「地には平和を」と叫び続けてきたのかもしれません。「希望と歴史が韻を踏むとき」はいつ来るのでしょうか。
けれども、ボノはそれでもイエスに対して助けを求めて叫びます。「イエスよ、溺れる者に命綱を投げてください」と。そしてこの歌は、ライヴではしばしば「Walk On」(あるき続けよう)という歌と続けて歌われました。
ルカ福音書2章14節で天の軍勢が歌う賛歌は、ラテン語訳の冒頭の言葉を取ってグロリアと呼ばれます。多くの日本語訳では「栄光があるように」「平和があるように」という願いとして訳されていますが、冒頭の私訳で示したように、原文のギリシア語には動詞がありません。これは「平和があるように」という祈りの声とも訳せますが、「平和がある」という宣言としても訳せます。メシアであるイエスがすでに誕生した。だから天では神の栄光が現され、地では平和が実現したのだと。
実際、グロリアにはこの両面があるように思います。新約聖書では、2千年前のイエスの到来をもって神の国はすでに地上に現れたということと、その完全な実現はいまだ起こっていないという両方の側面が強調されます。この「すでに」と「いまだ」の緊張関係が、キリスト教の終末論の特徴なのです。(ちなみにこのうち「いまだ」の側面は、旧約聖書に繰り返し現れる「主よ、いつまでですか」[詩篇13:1他]という叫びに強く表れていますが、この霊性は今日のキリスト教会にも必要なものだと思います。)
したがって、イエスの誕生を通して、すでに地上に平和はもたらされたと信じることができます。けれども、それは目に見える形では地上で完成していません。それはいまだ将来の希望に留まっているのであり、私たちはその実現のために日々努力していく必要があります。けれども、イエスによる平和がすでに到来したという確信は、絶望的な現実を目にしても、私たちが心折れず前進し続けるための希望を与え続けてくれるのだと思います。
キリスト生誕の夜に天使たちが歌ったこの賛歌は、私たち人間が繰り返し唱えるべき祈りとして与えられたものかも知れません。今年のクリスマスも、諦めることなく繰り返したいと思います。「地には平和」と。
He is a cross pendant.
He is engraved with a unique Number.
He will mail it out from Jerusalem.
He will be sent to your Side.
Emmanuel
Bible Verses About Welcoming ImmigrantsEmbracing the StrangerAs we journey through life, we often encounter individuals who are not of our nationality......
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