ベルリンにプレッツエンゼーという所がある。ナチズムが支配していた頃、ここには刑務所があって、抵抗運動に関わった人々や、ユダヤ人、左翼の活動家など多くの人がここで処刑された。その人々を追悼するために、戦後、その近くに二つの教会が建てられた。一つはカトリックの「マリア・レギナ教会」、もう一つはプロテスタントの「キリストの贖いの教会」である。
このプロテスタント教会の玄関の前には白い壁があって、そこには強制収容所で使われた有刺鉄線くらいの太さの針金を束にして埋め込むやり方で字が書いてある。ゴルゴタ、アウシュヴィッツ、プレッツエンゼー、ヒロシマとあり、その後に「マウァー」とある。ベルリンの「壁」のことである。つまりここには、人間が同じ人間仲間を無残にも殺した出来事の代表的な地名が挙げられているのである。これらの地名の下に、今日の創世記4章の言葉が埋め込まれている。「お前の弟の血が土の中から私に向かって叫んでいる」!
今日、私は、この言葉に焦点を絞って話したい。
神によって造られた人間―――はじめは良く、美しく、全ての被造物の生存に奉仕するという使命を負わされて造られた人間は、「自らを神のようにする」という誘惑に抗し切れずに神に背く。この根源的な罪の結果、本来居るべき場所(楽園)から追放される。創世記4章は、その直後に出てくる話である。カインが血を分けた弟アベルを殺す。
聖書の見方によると、罪に堕ちた人間の歴史は、人間同士が互いに殺し合う歴史になったのである。カインとアベルの物語は、その始まりに過ぎない。それ以来、どれほどの悲劇が繰り返されたことであろう。マタイは、
「だから、わたしは預言者、知者、学者をあなたたちに遣わすが、あなたたちはその中のある者を殺し、十字架につけ、ある者を会堂で鞭打ち、町から町へと追い回して迫害する。こうして、正しい人アベルの血から、あなたたちが聖所と祭壇の間で殺したバラキアの子ゼカルヤの血に至るまで、地上に流された正しい人の血はすべて、あなたたちにふりかかってくる」(23,34-35)。
と言っているが、これは本当である。
先週、武蔵嵐山で行われた「ドイツ東亜伝道会」主催のシンポジウムに参加したが、そこで最も考えさせられたことの一つは、それであった。『戦争と罪責』を書いた野田正彰氏は、南京大虐殺事件に関わった何人かの日本軍人と丁寧なインタビューを重ねた人だが、この人も講師の一人として出席していて、大事な貢献をしてくれた。
彼は講演の中で、この人達から聞き取りをした時の様子を話してくれた。ある日本軍人は中国で一家を皆殺しにする作戦の指揮者だった。後で行ってみると、小さな子供が死に切れずにいた。その子が大きな目を開けてこっちを見たというのである。そのことはすぐ忘れてしまったが、やがて戦後になって彼は日本で結婚し、子供が生まれた。ところが、その子が自分を見る目に、あの時の中国の子供の目が重なって見え、そのために長い間苦しまなければならなかった、と告白したという。
「お前の弟の血が土の中から私(神)に向かって叫んでいる」(10)という言葉には、こういうことも含まれているだろう。同じ人間仲間によって無惨にも殺された人々の血は、大地が口を開けて飲み込み(11)、そこから神に向かって叫んでいる。この叫びは止むことがない。あの中国の子供の目!忘れた気になっていても、人間に心というものがある限り、それは本当は忘れることができない。
この会議の間、同じようなことが次々に我々の心に重くのしかかってきた。韓国人の参加者は、朝鮮戦争のさなかにノグンリという所で米軍の兵士達が何百という避難民を虐殺した事件について報告した。くずついた人々を、衛生兵が手当をしてくれたが、その後でやってきた兵士達によってまた刺し殺されたという話は、我々を戦慄させた。光州事件についての痛ましい報告も聞いたし、丸木美術館に行って有名な「原爆の図」も一緒に見た。
人間が人間仲間を殺す。我々の歴史には、このような実例が充満している。我々の心は、この頃の天気のように、重く沈んで晴れることがなかった。カインの嘆きは、また、我々の嘆きでもある。「わたしの罪は重くて負いきれません。…」(13-14)。
だが、このカインに対して、神は「だれも彼を撃つことのないように」(15b)しるしをつけられた。これはどのような「しるし」なのだろうか。そのことについては、創世記には何も記されていない。だが、この「しるし」は、「カインの末裔」である我々にも、ついているのである。それは、十字の徴である。
神は、負い切れないほどの罪を犯したカインと「カインの末裔」に対して配慮をして下さった、と創世記は書いている。その決定的な現れが、イエスの十字架であった、と私は信じる。
He is a cross pendant.
He is engraved with a unique Number.
He will mail it out from Jerusalem.
He will be sent to your Side.
Emmanuel
Bible Verses About Welcoming ImmigrantsEmbracing the StrangerAs we journey through life, we often encounter individuals who are not of our nationality......
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