「キリストは私たちのただ中に」マタイ1:18-23 中村吉基

イザヤ書7:10-14;マタイによる福音書1:18-23

イザヤ書7:10-14;マタイによる福音書1:18-23

皆さん、2024年のクリスマスおめでとうございます。

以前、イスラエルを旅した折に、イエスさまがお育ちになったナザレの街を訪ねました。現在はアラブ人とユダヤ人が共存しながら暮らしている街なのですが、この街の中心部には「受胎告知教会」という大聖堂が建っています。イスラエルの三大聖堂の一つ(あとの2つはベツレヘムの聖誕教会とエルサレムの聖墳墓教会)でとても立派な造りの大聖堂でした。この教会はマリアを記念して献げられた教会ですが、その横に今日の箇所に出てくるイエスさまの養父となられたヨセフを記念した教会がありました。受胎告知教会のほうは類を見ない壮麗な建築でしたが、ヨセフ教会のほうは質素でよく見かけるカトリックのゴシック様式の教会で大きさもずいぶん小規模のものでした。私たちはクリスマスの物語を思い起こす時にはその中心にマリアやイエスさまがおられますが、ヨセフにはあまり注目をしないのではないでしょうか。今日の箇所は「ヨセフへの受胎告知」について描いています。マリアとヨセフの教会の規模にも象徴されるようにヨセフには私たちはあまり関心を寄せて来なかったかもしれません。

なるほど今日の箇所にも「母マリア」(19)とあるのに対して、「父ヨセフ」ではなく、「夫ヨセフ」(19)と記されています。イエスさまの父は神さまであるということもあるのでしょうし、またキリストの母となったマリアの「パートナー」「夫」という彼の立場が如実に描かれているといっていいでしょう。そのことに着目しながら今日の箇所に聴いて行きましょう。

ヨセフは婚約者であったマリアが妊娠したことを知り、気が動転します。一言で言うならばマリアに対して「不信」が生じたことでしょう。若いヨセフは彼なりに人生設計もしていたと思うのです。それがこのことによってガタガタと崩れていく。この2人の婚約は、ルカによる福音書では「いいなずけ」(1章27節)であると記しています。これは結婚の最初の段階で通常は12~3歳ごろに約束がされていました。ヨセフはマリアの妊娠を知った時にはまだ、それが神の力・聖霊によるものであることを知りませんでした。そこで19節「ヨセフは正しい人であったので、マリアのことを表ざたにするのを望まず、ひそかに縁を切ろうと決心した」のです。ヨセフはマリアとの婚約を解消しようとしました。ヨセフが「正しい人」だと福音書は告げています。それでは「正しい人」とはどんな人のことを言うのでしょうか。これを他の言い方で言うならば「信仰深い人」「律法に忠実な人」ということができます。ユダヤ教の慣わしでは「いいなずけ」になったということは結婚しているのも同じように扱われました。したがってマリアがヨセフ以外の男性の子を宿したとすれば、姦淫(結婚破り)の罪で晒し者になりかねなかったのです。この罪を犯したものは石打ちの刑に処せられるのです。ですから今のうちに離縁するならば独身に戻ったマリアが他の男性の子を宿したように見え、少なくとも姦淫の罪からは免れる可能性をヨセフは気遣っていたのです。

彼はとても信仰深く、また、人に対しても愛をもって接することのできる人だったでしょう。この行いだけを見てもとても優しい人だと感じられます。神への律法に忠実であろうとして、マリアのことを思いやれば、思いやるほどこの出来事を「表ざたにせず・・・・・・ひそかに」婚約の解消をしようとしました。しかし、当時の規定では婚約解消にも2人の証人が必要でしたから、完全に秘密裏のうちにできることではなかったのです。神さまへの愛とマリアへの愛――この2つのはざまでヨセフの気持ちは揺れ動き、またどうすることもできずに悩んだことでしょう。ヨセフは絶望の中にあったはずです。しかし、自分を裏切ったかもしれないマリアに対するこの愛と配慮に私たちは学ぶべきことがたくさんあるでしょう。このような純粋な心を持つ人を神さまはイエスさまの養父とされたのです。

さて、マリアと縁を切る決断をしたヨセフに天使が夢の中であらわれます。天使はヨセフに、これらすべてのことは聖霊(神のご意志)によるものであるので、恐れずに彼女を受け入れるように告げます。20節からのところです。「ダビデの子ヨセフ、恐れず妻マリアを迎え入れなさい。マリアの胎の子は聖霊によって宿ったのである。マリアは男の子を産む。その子をイエスと名付けなさい。この子は自分の民を罪から救うからである」。天使はさらに言葉を付け加えています。生まれる男の子はイエスと名づける事、そして、このイエスが人々を罪から救う者となると言うのです。イエスという名の意味は「神は救う」という意味です。しかしながら天使の言葉は聖霊によってマリアの胎内から生まれるイエスは正に名の通り人類にとっての「神の救い」そのものとなるのです。

マリアもヨセフにとっても、イエスの誕生の予告以来、それ以後の人生を変える重大な出来事になったでしょう。20節のところでヨセフが、マリアのことを思い巡らしています。「このように考えていると」という言葉は、実はルカ1章29節でやはり天使ガブリエルから受胎告知を受けたマリアが「考え込んだ」という言葉と同じ言葉です。つまりマリアが「戸惑い」「考え込」んで、天使のお告げの言葉を受け入れたあとで、ヨセフも同じように「考え込んで」「思いめぐらして」この神さまがイエスさまを通して人間を救おうとされる壮大なご計画を受け入れるのです。そしてヨセフも神さまのご計画を受け入れたのです。マリアの決断もヨセフのそれもまったく偶然のことではありません。常に普段から神への信頼を篤くしていたこの若い二人だからこそ決断できたわけでしたし、神さまの大きな計画の中にこのマリアとヨセフも選ばれていたのです。そしてこの2人の決断があったからこそイエスさまはここに誕生されたのです。

神さまのご計画が「夢」によって人間に示されるということが、多々あります。創世記のヨセフ(37章)や、ペトロ(使10章)、中世の聖人アッシジのフランチェスコも夢や幻に導かれています。今日の箇所のヨセフも、このあとのところで、夢の中でイエスとマリアを伴ってエジプトへ避難しなさい、と神さまから命じられます。「正しい人」ヨセフはそのみ言葉に従いますが、その後、ベツレヘムではヘロデ王によって2歳以下の男の子が虐殺されたのでした。ヨセフの決断は救い主を守ったといえます。

さてマリアとヨセフの人生を180度変えることになったであろうイエスさまのご降誕ですが、なぜそれを彼らは積極的に受け容れることができたのでしょうか。それは彼らが、この出来事が「神の救いの出来事」であることを確信したからなのです。マタイによる福音書は、この出来事が「神が共におられるというインマヌエルの出来事である」とイザヤ書7章14節の言葉を引用して語ります。

マタイ1章23節です。

「見よ、おとめ〔原意は「若い女」〕が身ごもって男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる。」この名は、「神は我々と共におられる」という意味である。

マリアとヨセフに起こった受胎告知の出来事、そしてイエスさまのご降誕の出来事は、神が私たちと共におられるという「インマヌエル」の出来事だと告げるのです。

「その名はインマヌエルと呼ばれる」とありますが、実はイエスさまが(新約聖書で読む限りには)1度も「インマヌエル」と呼ばれたことはありません。これは救い主のお名前とか、尊称というよりは救い主の本質、生きざまつまり私たちと同じ目線で、私たちのただ中に来てくださったキリストを表している呼び名であるのでしょう。私たちと共に生きてくださる神、共に喜んでくださる神、共に苦しんでくださる神、共に悲しんでくださる神それがインマヌエルなのです。今日の箇所はマタイによる福音書の1章ですが、この福音書の最後にはなんという言葉で閉じられているか、皆さんはご存知でしょうか。それは28章20節後半に天に昇られる前の復活のイエスさまのみ言葉でこう書かれています。

「わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる」。

こういう言葉でマタイによる福音書は終わっています。つまり最初から最後まで、私たちと共に居てくださる神、私たちのただ中に居られる神さまを証ししているのがマタイ福音書だということです。この事実を喜び、祝うのがクリスマスの本来の意義なのです。

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