啓示15・16章－七人のみ使いが七つの災厄を注ぎ出す(24)日の昇る方角から来る王たちとは?

    第六の者が神の怒りの鉢の中から大川ユーフラテスの上に注ぎ出すと、その水は枯れてしまいました。そして、日の上る方角から来る王たちのために道が備えられることになりました。(啓示16:12)日の昇る方角から来る王たちとは誰でしょうか。 

(1)日の昇る方角から来る王たちとは? 

日の昇る方角から来る王たちとは、誰を意味するのでしょうか。わたしは、以前預言を解釈し始めた最初期に日の昇る方角から来る王たちに関して間違って理解していたことがありました。日の昇る方角から来る王たちとは、東から来る王たちだから、特に太陽などをイメージした日章旗を国旗にした日本などを含んだアジアの王たちなのだろうかと考えたことがありました。 

しかし、聖書の言葉を一般通念に基づいて解釈するのは間違っています。それで、聖書の語は、聖書中でそれが何を意味しているかを考える必要があります。日の昇る方角から来る王たちとは、大いなるバビロンを倒すために前進する北の王とその同盟の王たちを表わしているでしょう。 

(2)聖書中の日の昇る方角から来る王 

　ヘブライ語聖書中には、日の昇る方角から来る王たちに言及する聖句がイザヤ41章と46章にあります。まず、イザヤ41章には、「だれが[ある者を]日の昇る方から奮い立たせたか。[だれが]義をもってその者を[神]の足もとに呼び寄せ，その前に諸国民を渡し，[これ]に王たちをも従えるようにさせたか。」とあります。(イザヤ41:2) 

　また、25節には、「わたしは[ある者を]北から奮い立たせた。彼は来る。彼は日の昇る方からわたしの名を呼び求める。そして，彼は代理支配者たちを襲う。・・・湿った材料を踏みつける陶器師のように。」とあります。(イザヤ41:25)ですから、日の昇る方から来る王は、王たちを襲い、首尾よく諸国民に勝利を収めることになっています。

昔日の昇る方角から来る王はペルシャのキュロスだった 

 イザヤ46章では、「猛きんを日の昇る方から，わたしの計り事を遂行する人を遠い地から呼ぶ者。わたしは[それを]話したのである。わたしはまた，それをもたらすであろう。」とあります。(イザヤ46:10,11)比ゆ的な猛きんが日の昇る方から来ることになっています。この猛きんは、エホバの計り事を遂行することになります。預言者イザヤの時代には、ペルシャのキュロスを意味していました。 

　ペルシャのキュロス王は、バビロンに捕らわれていたイスラエル人をバビロンから解放しました。そして、バビロンに捕らわれていたイスラエル人に故国に戻ってエホバの崇拝を回復するように命じました。(エズラ1:1-3)このことができるように、エホバはキュロスにバビロンを倒すために、ユーフラテスの川床を渡ってバビロンに侵入する方法を教えました。(イザヤ44:27,28)それで、キュロスは、難攻不落のバビロンを倒し、捕らわれていたイスラエル人を解放しました。 

　それで、エホバの崇拝の復興に協力したという点で、キュロスは、ある程度、義をもって行動していましたし、エホバに奮い立たされました。キュロスは自分の名を挙げた自分に関する預言の言葉を知っていました。ですから、キュロスは、神の名を呼び求めた事でしょう。キュロスはエホバの崇拝と神の民の解放に貢献し、それゆえにバビロンを倒すことができるようにされました。 

　ですから、啓示16章の日の昇る方角から来る王たちとは、昔の日の昇る方から来た猛きんの王であったキュロスとある程度共通点があります。実際、キュロスはバビロンを倒しましたが、啓示の書の日の昇る方角から来る王たちとは、大いなるバビロンを倒す王たちを意味しているでしょう。 

(3)キュロスと日の昇る方角から来る王たちと共通点 

　キュロスは、バビロンの町を取り囲んでいたユーフラテス川の流れを変えることによってその水量が激減するようにしました。日の昇る方角から来る王たちも、南の王の王国に流れ入る人々の流れが止まってしまったのを見極めて、南を攻撃することになるでしょう。 

 米国への移民という水が減少することが北の王の侵入につながる 

　しかし、そのような共通点を除いては、エホバ神のみ前での立場や北の王と昔のキュロスでは異なっています。また、キュロスと北の王の行動では、全く似ていない所も多いようです。実際、キュロスは、バビロンにとらわれていたイスラエル人を解放しましたが、北の王は、神の民を軍事攻撃し、大いなるバビロンに連れて行くことになっています。これは、日の昇る方角から来る王たちが、エホバの崇拝に貢献するとは言い難いです。 

日の昇る方から来る王キュロスと北の王は違う点も多い  

　それで、日の昇る方角から来る王たちとは、大いなるバビロンを倒すために前進することになる北の王とその同盟の王たちでしょう。しかし、最終的に敵の王を敗北させるという点で、日の昇る方から来たキュロスと、終わりの時に日の昇る方角から来る王たちは共通点があるでしょう。 

(4)現代の約束の地から見て日の昇る方角にある諸国家 

　また、日の昇る方角とは、約束の地、すなわちイスラエルから見て日の出の方角、つまり、東方でしょう。聖書時代のイスラエルの東方には、モアブ、アンモンの国々があり、さらに東方になるとバビロンが含まれていました。その地域には、ペルシャも勃興しました。現在、それらの地域には、イラク、クウェート、ヨルダンなどの国々があります。さらに、東方になるとイランなどの国が含まれます。 

それらの国々の中から南の王を倒すために行動する諸国家が存在するようになるという意味でもあるでしょう。