啓示8・9章－七人のみ使いが第一から第六のラッパを吹く(4)み使いが贖罪をするタイミング

　第七の封印が開かれた時、約半時間の間天に静寂が起こりました。(啓示8:1)別のみ使いが黄金の祭壇で多量の香を聖なる者たちの祈りと共に捧げました。(啓示8:3,4)そして、その別のみ使いは、黄金の香炉に火を満たして、地に投げつけました。(啓示8:4) 

　別のみ使いの行為は神の民と地の人のための贖罪の行為だと考えられます。別のみ使いは終わりの時のどのようなタイミングで贖罪の行為をすると考えられるでしょうか。考えてみましょう。 

(1)贖罪とその後の結果の関係 

　別のみ使いが香と火を入れた黄金の香炉を地に投げつけるという行為は、贖罪の行為であると考えられます。モーセとアロンの時代に、アロンがイスラエルの民のために特別に贖罪を捧げたことがありました。その時は、アロンがイスラエル人のために火取り皿に火と香を入れてイスラエル人の集会の人々のところに持って行って贖罪をしました。(民数記16:46) 

　それは、イスラエル人がエホバ神の権威に反抗した時でした。そのために、エホバの不興が表わされ、反逆者たちがエホバによって命を失いました。(民数記16:3,32,35) 

　しかし、そのことに対してイスラエル人はつぶやいたので、エホバはイスラエル人を即座に滅ぼし絶やそうとしました。エホバの神罰のために、一万四千七百人の人が死にました。(民数記16:49) 

　それで、アロンはモーセの指示で民のために贖罪をしました。(民数記16:46-48)それで、アロンの行なった贖罪のためにそれ以上のエホバの神罰はとどめられました。それ以上、神の民が死んで神の民が滅ぼし絶えてしまうことは免れました。それで、アロンの贖罪のゆえに、多いとはいえ、イスラエル人の死者の数は少なくとどめられました。

　ですから、別のみ使いが行なう贖罪の行為のために、彼が贖罪をしなかったよりは、その死者の数は少なくとどめられる結果になるでしょう。聖霊で油そそがれたクリスチャンが贖罪をしなければ、人々はみな即座に命を失うという結果にもなりえました。 

　このことは、イエスが聖なる者たちの奉仕のゆえに、肉なる者たちが救われることに言及している次のような言葉を思い出させます。「実際，その日が短くされないとすれば，肉なる者はだれも救われないでしょう。しかし，選ばれた者たちのゆえに，その日は短くされるのです。」(マタイ24:22) 

　それで、まだその関連については十分分かりませんが、選ばれた者の奉仕のゆえに、肉なる者が救われ、数えきれない大群衆が大患難を生き残るという結果になります。これは、聖なる者たちが行なう祭司としての仕事、贖罪の業も関係しているのではないかと思います。 

(２)どのようなことが起ると考えられるのか 

　約半時間の天の静寂の後にどんなことが起ると考えられるのでしょうか。ダニエル書によると神の民の違反のために、神の民の本拠地が攻撃され、神の民が数多く命を失ってしまいます。(ダニエル8:12;11:31)それは、偶像崇拝、殺人、同性愛、淫行などの神の民の側の神の律法に反する違反のためです。 

　わたしはカトリックの本拠地ローマとギリシャ正教会の本拠地アテネ、また、ひょっとするとモスクワなどが攻撃されるかもしれないと考えます。それら、イタリヤとギリシャを中心としたキリスト教諸国家は、違犯を犯します。それらの諸国家は、北の王が二度目に南の王を総攻撃しようとする時に、剣をとって戦い、首尾よく、北の王の攻撃をとどめると考えられます。(ダニエル11:29,30) 

　ダニエル11章29節に登場する北の王を「失意」させる「キッテムの船」とは、とりわけ、マケドニア沿岸のローマ、ギリシャなどを含んだ地中海沿岸諸国を表わすと考えられるからです。　(ダニエル11:30) 

キッテムの船とはキプロス島周辺の地中海沿岸の諸国家の海軍を意味する

 

　なぜなら、キッテムとはキプロスを意味します。また、昔のヘブライ語の用法の中に、キッテムという語で、キプロス島周辺、つまり、地中海沿岸地域を表わす用法がありました。キプロス島では、ギリシャ正教徒が大半です。そして、キッテムをローマ人やイタリアと訳している聖書翻訳もあります。 

　さらに、民数記にも「キッテムの沿岸からの船」がアッシリアやエベル(シリアやパレスチナ)を悩ますことが預言されています。(民数記24:24)民数記の預言からも、キッテムの船とは、地中海沿岸諸国のマケドニア側の船であると言えます。 

Derivative of File:BlankMap-Europe-v3.png (Roke (talk ・ contribs))キプロス島周辺のイタリヤやギリシャなどの地中海沿岸の諸国家の海軍がキッテムの船と考えられる 

 

　それで、キッテムの船とは、ギリシャ正教徒やローマカトリック教徒を中心とした地中海沿岸のヨーロッパ諸国の海軍であると解釈することができます。それで、北の王は、おそらく、ローマカトリック教の国やギリシャ正教会の国の海軍によって敗北を喫します。 

　しかし、神の民がそのようにして剣をとつて戦う事、とりわけ、南の王との比ゆ的な売春、つまり、南の王と軍事行動を共にすることは神の民にとって罪です。エゼキエル書には、エルサレムを表わす女オホリバがカルデヤやアッシリアなどの他国の軍事力にあこがれて頼ったことは、エホバの目にとって淫行であり、売春であったことが記されています。(エゼキエル23:11,12) 

　それゆえにエホバ神は、神の民の「違反」が当然の報いを受けるようにされます。キリスト教国が南の国に頼ったゆえにエホバは憤られ諸国家がローマカトリックやギリシャ正教会の国々を攻撃するようにされます。エゼキエル書のオホリバに起きたことが起きるようにされます。(エゼキエル23:22-31) 

カトリック教会の本拠地ローマと・・・ 

 

Saint Panteleimon church as seen from Acharnon avenue.

Peloponnisiosギリシャ正教会の本拠地アテネがおそらく将来北の王によって軍事攻撃を受けるのでしょう 

 

　北の王は効果的に行動し、イタリアのローマとギリシャのアテネを中心にしたキリスト教の本拠地を攻撃します。「聖なる所を汚し」、相当数の神の民の命が失われ、神に対する「常供のもの」が取り除かれる結果になります。(ダニエル8:12;11:31) 

　ギリシャ正教の中心はロシアのモスクワも含まれています。モスクワは、地中海沿岸ではないので、モスクワのギリシャ正教会が北の王から攻撃を受ける場所になるかどうかは、事態の進展を見ていかなければ分かりません。 

　しかし、忠実な神の民によって神の民全体のために祈りがなされます。そして、キリストの贖いの犠牲に基づいて忠実な神の民でつまずいてしまった者たちのために贖罪がなされることでしょう。(ダニエル11:35)違犯を犯した神の民のために祈りがなされなければ、神の民全体が命を失う事態にもなりかねません。また、大患難が起きて地の人全体も命を失いかねません。 

忠実な神の民によってキリストの贖いの犠牲に基づいて神の民と全世界の人々の罪の許しを求める祈りが捧げられるのでしょう 

 

　しかし、忠実な神の民が祈りキリストの贖いの犠牲に基づき罪の許しが求められるために、最悪の事態が生じることは免れるのでしょう。(ヨハネ第一2:1,2) 

　そして、神に忠実な神の民の側には、起きていることに対する神のお考えを伝える責任があります。それで、七人のみ使いが七つのラッパを吹くことになるのではないかと思います。