イエスが亡くなる前に経験されたストレスと苦しみ

 イエスは、贖いの犠牲を遂げられる前に、非常なストレスと苦しみを経験されました。イエスが経験した非常なストレスと苦しみについて考えるなら、私たちはイエスが私たちのために神に捧げてくださった贖いの犠牲に感謝するよう促されます。

　イエスが経験された苦しみと死はイエスにとっても初めての経験でした。イエスは、この物質宇宙が存在する前に、エホバ神によって神の創造の初めとして霊者として創造されました。(箴言8:22)ですから、イエスは、地上で人間としてお生まれになる幾十億年前から、天で生きておられました。ところが、イエスは天での生活の中で、父なる神に従うがゆえに非常な苦しみを経験することはありませんでした。

　私たちも、初めて経験すること、予測がつかないこと、失敗する可能性のあることは、ストレスになります。しかし、イエスにとっても、苦しんで死ぬということは、彼の生涯の中で初めての経験でした。イエスにとって耐えるのが簡単なことではありませんでした。

 イエスは、ご自分が経験することになっている苦しみの死について、「それが終わるまで，わたしはどんなにか苦しむことでしょう。」と言われました。(ルカ12:50)

 　また、イエスは贖いの死を遂げるために、非常な激痛を経験することになっていました。イエスは、ご自分に関する聖書の預言をご存知だったので、ご自分が杭に掛けられることをご存知でした。(申命記21:23。マタイ20:19)また、むち打たれること、クギもしくは剣で「刺し通され(る)」ことをご存知でした。(マタイ20:19。イザヤ53:4,5)

 イエスが、杭の上でなくなるのは、人々の罪のための贖いの犠牲のためでした。(マタイ20:28)それは、神が意図されたことであり、数えきれない人類に永遠の命を与える自己犠牲的な愛の行為でした。(ヨハネ3:16)それは、感謝され称えられるべき行為でした。

　しかし、イエスが贖いの死を遂げるその時、人々からは少しも感謝されないのです。イエスは、人々から「さげすまれ」、「痛みと病を親しく知る」こと、人々から「取るに足りない者」とみなされることになっていました。(イザヤ53:3)

 イエスはご自分が神を「冒とく」する者として、死刑になる可能性があることに気づかれ、実際にそうなりました。(マタイ9:3;26:65。マルコ14:64)

　イエスは、裁判にかけられて杭にかけられる前にゲッセマネの園で祈られました。(マタイ26:36-29)その時、イエスは、汗が「血の滴りのようになって地面に落ちた」と述べられています。(ルカ22:44)

 極端な精神的ストレスの幾つかの症例では，血の混じった汗の出たことが報告されています。あるクリスチャンの甥子さんは、心臓疾患を持っていて亡くなる数日前に血のように赤い汗を流し、タオルが赤く染まったとネットで語っておられます。

 ですから、イエスは、その時、思い煩って非常に苦しまれたのでしょう。イエスは、「わたしの魂は深く憂え悲しみ，死なんばかりです。」と言われました。(マタイ26:38)さらに、「わたしの父よ，もしできることでしたら，この杯をわたしから過ぎ去らせてください。」と祈られました。(マタイ26:39)

 イエスは、エホバ神を愛しておられ、神のために生きてきたので、その父なる神を冒とくする者としてみなされるのは、イエスにとって非常に不本意なことでした。(ヨハネ10:36)

 また、そのような過酷な状況の中で、神への完全な忠誠を保つことができるのか、イエスは非常に不安だったでしょう。

　イエスは、聖書の言葉が完全に成就するようにと、気にかけておられました。(マタイ26:54)また、神のみ名に栄光がもたらされることを望んでおられました。(ヨハネ12:28)

 しかし、イエスの完全な忠誠に人類の将来がかかっていました。もし、イエスが失敗すると神には大変な恥辱がもたらされ、贖いの犠牲は備えられず、人類は永遠の命を与えられず、神のみ言葉の真実性に疑問が投げかけられることになります。

　それで、イエスは、事の重大性をよく理解しておられたので、イエスにとっては、前途の試練は非常に大きなストレスになりました。

 　イエスは心が潰れてしまいそうな思いをされました。しかし、イエスの祈願は神に聞かれました。

　エホバは、み使いを遣わしてイエスを励まされました。(ルカ22:43)そして、イエスは、その後、敵対者たちにつかまって杭の上で最後に死を遂げるまで、はっきり意識を保ってエホバ神に完全に忠誠を保つことができました。

Gethsemane43 by Waiting For The Word (jesusprayer3)

エホバはイエスの祈りに答えてみ使いを遣わしイエスのストレスを和らげイエスを強めました

　　私たちは、イエスが非常なストレスと痛みと苦しみを忍んでくださったことを感謝できます。是非、キリストの記念式に出席して、キリストの備えて下さった贖いの犠牲に感謝を示しましょう。

キリストの死の記念式は2014年4月14日(月)全世界のエホバの証人の王国会館で日没後に行われます(kingdomhall4)