イザヤ2章・末の日のユダとエルサレムとは

「アモツの子イザヤがユダとエルサレムに関して幻で見た事：そして末の日に、エホバの家の山はもろもろの山の頂より上に堅く据えられ、もろもろの丘より上に必ず高められ、すべての国の民は必ず流れのようにそこに向かう。」（イザヤ2：1，2）

預言者イザヤは、「末の日」の「ユダとエルサレム」に関して預言しています。「ユダとエルサレム」に「すべての国の民」が「流れのようにそこに向かう」ことになります。「末の日」ですから、この預言は、終わりの日に関して預言したものだと言えます。この「ユダとエルサレム」とは、何を表しているでしょうか。

それは、文字通りの「ユダとエルサレム」ではありえません。なぜならイザヤ2章の預言によると、「律法はシオンから、エホバの言葉はエルサレムから出る」と述べられているからです。（イザヤ2：3）イスラエル国は、現代の文字通りのエルサレムを首都だと主張しています。しかし、イスラエル国は、戦争や攻撃を絶えず行なっており、神の律法やエホバの言葉の教育を行なっているとは決して言えません。また、文字通りのエルサレムに、「すべての国の民が・・・向かう」ということも起きていません。ですから、イザヤ2章2節の預言は、文字通りのエルサレムに当てはまっているとは言えません。

また、イエスは一世紀に、神がエルサレムを見捨てられることを予告されました。イエスは、こう言われました。「エルサレム，エルサレム，預言者たちを殺し，自分に遣わされた人々を石打ちにする者よ・・・。見よ，あなた方の家はあなた方のもとに見捨てられています。」（ルカ13：34，35）エルサレムは、神の言葉を宣べ伝える預言者たちを殺し、神の子であるイエス・キリストさえ殺してしまいました。それゆえ文字通りのユダとエルサレムは、神の民という特権的な立場を失ってしまいました。

また、聖書はモーセの律法がイエス・キリストの到来によって廃されたことを述べています。聖書は、「キリストは律法の終わり」と述べています。（エフェソス2：15。ローマ10：4）

そのことは、西暦70年に、エルサレムとその神殿がローマ軍によって破壊され、モーセの律法の中に規定されたエホバの崇拝は行なえなくなったことによって確証されました。その時に、文字通りのユダとエルサレムが神に特別に選ばれた神の民ではなくなっていたことは証明されました。ですから、終わりの時の「ユダとエルサレム」は文字通りのユダとエルサレムに当てはまらなくなりました。ですから、イザヤ2章の「ユダとエルサレム」に関する預言は、生来のイスラエル人に成就することはありません。

イエス・キリストの到来と共に、神に是認される民は、聖書に忠実に従うクリスチャンになりました。ですから、イザヤ2章の「末の日」の「ユダとエルサレム」は聖書に固く従う現代のクリスチャンに成就するでしょう。

現在、エホバの証人は、世界中に約700万人存在しており、確かに聖書に基づいた教育を行なっており、国際的な組織となっています。そして、エホバの証人は、確かに聖書に忠実であろうと努めています。そして、あらゆる国籍を持つ人が、エホバの証人の聖書教育を受けています。

ですから、イザヤ2章にある、「ユダとエルサレム」から、エホバの言葉の教育が行なわれ、すべての国の民が流れのようにそこに向かうという預言は、現時点ではエホバの証人に成就していると思います。

しかし、啓示7章9，14節によると、「大患難から出て来る」のは、「すべての国民と部族と民と国語の中から来た，だれも数えつくすことのできない大群衆」となることが預言されています。約700万人という数は多いとはいうものの、現在の世界人口約70億人を考えても、「だれも数えつくすことのできない」数とは言えないでしょう。ですから、このイザヤ2章の「ユダとエルサレム」に関する預言は、さらに一層正確な聖書の知識を発信する神の僕のグループに成就することになるのではないかと思います。

私はいずれ聖書の正確な解釈を奉じる人たちが「だれも数えつくすことのできない」数になると思います。それらの人々は、聖書の正確な知識を取り入れて、大患難を通過できることになると思います。また、それらの人々は、世界情勢を観察して聖書の預言が確かに現代世界に成就したことを理解するようになるにつれて、その数を増していくのではないかと思います。

現在でも、パソコンや携帯電話、ブログ、フェイスブック、ツイッターなどを用いて世界中の大勢の人がある情報を容易に共有できるようになっています。私は、将来パソコンやスマートフォン、携帯はもっと安くなって、発展途上国の人でも、容易に入手できるようになるのではないかと思います。そうした媒体によって、聖書の正確な知識を非常に膨大な数の人が簡単に入手できるようになる可能性があると思います。

そのようになるためには、時間はかかると思います。何十年も時間がかかるかもしれません。けれども、事態はそういう方向に向かうのではないかと思います。私は皆さんにも、聖書の預言の成就を見守っていくようにお勧めしたいと思います。

箴言12章・来るべき食糧不足に備える

マタイ24章・なぜ文字通りに山に逃げるのがふさわしいか

啓示7章・大群衆は大患難から出てくる

創世記10章・世界中で祝われるクリスマスの起源は何ですか