Opus Dei オペラな日々 第3回 祈りと音楽

聖書に出てくる用語、クリスチャンが使う用語を説明しています。 ヘブル的視点で解説されていますので、すでにクリスチャン歴が長い方にも新しい発見があるかもしれません。

稲垣俊也
オペラ歌手(二期会会員)、バプテスト連盟音楽伝道者

歌は祈り

 敬愛する東敦子先生(マダム・バタフライ歌手として一世を風靡した世界的ソプラノ)がよくおっしゃっていました。「歌はお祈りよ。お祈りは歌なの」。

 祈りは(歌も)、呼吸のように至極「自然」でありながら、それをしなければ数分と生きることができないほど「必然」なものでもあります。子どもができるように簡単でありながら、子どものような純粋な心がなければできないほど、深いものともいえます。

 また、「主の祈り」のように全身全霊で集中して祈るものもあれば、口を開き言葉で表現しなくても、魂が安らぎに満たされることもあります。願いや導きを知ろうとすることがなくても、ただ神様の「気」を感じることで心が豊かになっていくことがあります。

 東先生も、歌い始めるまでは、ひたすらに一つのモチーフにこだわっていましたが、聴衆を前にその音楽を放たれる時には、温かさと深さを帯びてくるのを、私はいつも目の当たりにしました。その秘訣は「祈り」であったことが、凡庸な私でもはっきりと理解できました。

 東先生は一九九九年のクリスマスの日に、天国にお帰りになられました。東京音楽大学で六年間、助手をしたことや、数々のオペラの舞台で共演させていただいたことは、私の歌手人生の一生の糧となっています。先生の素晴らしいお声の「波動」とお人柄が、脳裏を離れることはありません。東先生が命を賭してお伝えくださった「歌は祈り」という信念。音楽の本質は、まさしくこの一語に尽きます。

祈りの多彩さ

 「祈りである歌」。ここでは「祈り」についてみてまいりましょう。祈りは大きく分けて二種類あることをご存じでしょうか。

 一つは「口祷」。言葉を唱えて神と語るというものです。もう一つは「念祷」。言葉なしに祈るというものです。音楽はこれら二つの祈りの性質を持っています。

 先月号の「グレゴリオ聖歌」のように、言葉を理路整然とした摂理にそって、自分自身に教育していくという「口祷的要素」もあれば、具体的な言葉がなくても、いや具体的な言葉で表現できない心模様を神様にお伝えする「念祷的要素」も持っています。

 さらに観てまいりましょう。この二種の祈りで、特に「念祷」については、さらに二つに分けることができます。

 一つは「瞑想」。神やその愛、永遠、不変、知、美、孤独などについて考え、祈ること。考えることが主になります。もう一つは「観想」。「神」について考えるよりも、考えを多少しておいてから、神やその愛を味わって祈る。考えることよりも感じること、味わうことに重点を置きます。

 どのような祈りも「~について考える」という作業もあれば、「~について味わう」ということもあります。しかし祈りのグレードとしては、観想的祈りのほうが高く、望ましいとされています。

観想的音楽

 私は、音楽の中にもこの「観想的祈り」を感じずにはいられません。音楽も、何か一つのテーマを考察してからそこで得た「気付き」を味わい続ける……ということではないかと思います。

 音楽は深まれば深まるほど、「演奏をする」というよりも、「心の持ち方」、あるいは「一つの存在の仕方」というレベルになってきます。音楽をとおして、大自然の息吹や私の中に生きている大きな沈黙、豊かさを感じ、できるだけそれを味わって生きていきたいという思いに至らせてくれます。

 「グレゴリオ聖歌」は何度も同じ言葉を繰り返します。深い呼吸のリズムに合わせて神の御名や、詩篇の一節、あるいは自分の今求めているものは何か……をゆっくり繰り返しています。禅では、「公案」を繰り返すことによって、理性の働きを抑えて、ありのままの自分に集中させる方法があります。

 キリスト教でも「射祷」といって、短い言葉を繰り返す方法が勧められてきました。多くのことを考えるよりも、この方法のほうがかえって観想するのに有効であるのです。言葉の理性的な内容を分析するよりも、「神」を表す言葉を繰り返して、その世界に親しんでいくということです。

 人がひとりで成し得る経験、あるいは能力や時間には当然限界があります。限られた中で成しえる数少ないことを深め、親しんでいく……案外このことは、自分が最も深くなるコツではないでしょうか。

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