「原理主義」と「福音主義」 最終回 後退し続ける”閉じられた”日本の教会(前編)

聖書に出てくる用語、クリスチャンが使う用語を説明しています。 ヘブル的視点で解説されていますので、すでにクリスチャン歴が長い方にも新しい発見があるかもしれません。

宇田 進
東京基督教大学名誉教授 元ウェストミンスター神学校客員教授

 昨年、アメリカ社会思想史の古典と高評(1964年ピュリッツアー賞受賞!)されている一冊の書物が邦訳出版された。それはリチャード・ホーフスタッター『アメリカの反知性主義』である。これは滞米中の1963年に手にした、筆者にとっては大変懐かしい一冊である。

 著者は18、19世紀の歴史的経験にさかのぼるとしながら、過去と断絶して新大陸へ渡ったアメリカ人の反権威主義とあいまって、根強い”反知性”の伝統が作り上げられていったと論じている。

 特に関心をひかれたのは、その要因の一つに”福音主義の拡大”をあげている点である。この本が今や流行となっている”反ファンダメンタリズム””反エバンジェリカル”のムードや潮流に、どう作用するかが見物である。

 前回”批判・拒絶”の見方が支配する日本のキリスト教界の中に、”一定の理解と評価”を示す”オープン”な見方があることを指摘した。実は、アメリカではそのような見方はすでにいろいろと登場してきている。

 その一例を挙げると、マーチン・マーティ(シカゴ大学)がいる。彼は、たとえば『アメリカの教会の現実と使命──プロテスタント主流派・福音派・カトリック』(邦訳1990)の中で、「パブリック・チャーチ(公共教会)」ということを訴えている。

 この中心は、市民的・社会的・政治的領域における「共同善」と「公民の義」とを形成するための「公共宗教」である。提唱の一番の動機は、アメリカのキリスト教会における士気と使命感の衰退の危機である。

 この「公共教会」には、プロテスタント主流派、福音派、カトリックの諸教会の相当部分が含まれる。具体的には、「公共宗教」という基盤以外、それぞれの教会の伝統や実践の内的統合は崩されないという。一種の「宗教共同体の共同体」と言えよう。

 「公共教会」そのものに関しては、多くの議論(R・ピラード『アメリカの市民宗教と大統領』邦訳2003)があろうと思うが、特にここで関心をひく一点は、マーティの福音派に対する”見方と接し方”である。彼は「信仰者は自分たちのキリストへのコミットメントを様々な仕方で把握する」という事実を認めた上で、「公共教会」の形成のために「共生(シンビオテース)」の関係を根幹的なこととして強調している。

 その際、彼は「すべての福音主義者を一つの型に押し込めようとしている」、「福音主義キリスト教の豊かさを正当に取り扱っていない」と指摘しながら、後退し続けるメイン・ラインの教会の在り方を批判している。実は、この書を著わした時期に、マーティはファンダメンタリズムや福音派の研究に取り組んでいたのである! 日本では拒否反応ばかりで、このような声はメイン・ラインの教会のどこからも聞こえてこない! 日本のキリスト教界は、神学エリート支配の”閉じられた世界”と言うべきか?

 最後にファンダメンタリズム・福音派自身に目を向けて結びたいと思う。

 まず、北米における構成であるが、ロバート・ウェバー(ホイートン大学)の分析(『共通のルーツ─福音派の成熟への呼びかけ』1978)を基礎として、おおよそ次のように理解することができよう。戦闘的ファンダメンタリスト福音主義─アメリカ・キリスト教会協議会(ACCC)、ポップ・ジョンズ大学、C・マッキンタイアー。ディスペンセーション主義系の福音主義─ダラス神学校、ムーディ聖書学院、H・リンゼイ、「モラル・マジョリティ」。保守的福音主義─ホイートン大学、トリニティ神学校、ゴードン・コンウェル神学校、デンバー神学校、サウスウェスタン・バプテスト神学校、全米福音主義同盟(NAE)。「クリスチャニティ・トゥデイ」誌、ビリー・グラハム、C・ヘンリー、M・エリクソン。無教派的福音主義─ミリガン大学。改革派系の福音主義─カルビン大学・神学校、ウェストミンスター神学校、カベナント神学校、リフォームド神学校、F・シェーファー。アナバプテスト系の福音主義─ゴーシェン大学、リーバ・プレイズ・フェローシップ、J・ヨーダー。ウェスレアン系の福音主義─アズベリー大学・神学校、シアトル・パシフィック大学。ホーリネス系の福音主義─リー大学、ナザレン教会。ペンテコステ系の福音主義─神の教会、アッセンブリー・オブ・ゴッド教会。カリスマ運動系の福音主義─オーラル・ロバーツ大学、パット・ロバートソン。黒人福音主義─全米黒人福音主義同盟(NABE)。進歩的福音主義─フラー神学校、リーヂェント大学、C・ピノック、D・ブローシュ。急進的福音主義─「ソジョナーズ」誌、「ゼ・アザ・サイド」誌、R・ケーベドーと青年福音主義、S・グレンツ。メイン・ライン教会内の福音主義─メソジスト、ルーテル、長老、聖公会、バプテスト等の諸教会内の福音派。(R・スターク、C・グロック編『アメリカ人の信仰』一九六八、ナッシュ編『前掲書』参照)。 以上のように、歴史的、神学的、文化・社会的の3面から14の「二次文化集団」からなると見られる。政治学者のロバート・ファウラー(ウィスコンシン大学)は、「一枚岩的統一の状況」ではないと指摘している(『新しい取り組み─1966~1976におけるエバンジェリカルの政治思想』1982)。

 また、『リバイバリズムと社会改革』(1970)で知られるティモシー・スミス(ジョンズ・ホップキンズ大学)は、「一つのモザイク状況」と表現している(ジョージ・マーズデン編『福音主義と近代アメリカ』1984)。”画一化”は正しい見方とは言えない。

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