近藤愛哉
保守バプテスト同盟 盛岡聖書バプテスト教会牧師、「3・11いわて教会ネットワーク」コーディネーター
ある出来事が起こった日が、歴史上特別な意味を持つように、あの日以降、「3・11」は、単なる日付を表わす記号以上の数字になりました。そして、「3・11」は、あの日に発生した出来事だけでなく、それ以後に起こり続けているあらゆる事柄、次々と露呈する数多くの問題をもまた内包する数字となりました。
大震災によって地面が揺さぶられた後、「新しい」問題が生み出されただけではなく、「じつは以前からそこにあった」諸問題が明るみに出され、浮き彫りにされ続けているように思えます。それは日本社会の至るところで見られ、そしてまた私たち教会の中でも見られるものです。目の前に存在する問題に、教会は具体的にどのように関わってきたのか。傷んだ人々にどのように触れてきたのか。教会内の人間関係、教会間の関係。福音をどのように理解し、どのように伝えてきたのか、どのように福音に生かされてきたのか。私たち教会は、突如始まった「3・11以後」という時代の中で、自らが置かれた社会における在り方、信仰における真実や、求められる行いの本質といったものを、これまで以上に鋭く深く問われているのではないでしょうか。
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今回『被災地からの手紙 from岩手』を執筆するにあたり、大局的な視野に立ったまとめや、何か結論めいたことを書くつもりはありませんでした。それをするためには、震災からわずか一年強という期間は余りにも短く、現在進行中の諸問題に囲まれる中で書けることは限られていました。私にできたことと言えば、あくまでも岩手という地に置かれた一人のキリスト者という立場で、経験し続けてきた事柄のほんの一部分を「途中経過」として切り取り、記すことでした。でも確かにその「一部分」の中にも、私たち教会が耳をそばだてるべき主からのメッセージがありました。それは「岩手」、あるいは「被災地」だから聞くことができるメッセージなのではなく、「世」に置かれたすべての「教会」が、それぞれの場所で共通して受け取り、求め続けていくべきメッセージではないかとも思うのです。
同時に、この本を読まれる方々には、岩手のみならず大震災によって様々な影響と痛みを負った各地とそこに生きる人々、そしてそこに建てられた諸教会に関心を持ち、ぜひ祈りに覚え続けていただきたい、というのが切なる願いです。くり返しになりますが、「3・11」とは決して過去のことではなく「現在進行中」のことなのです。
最後に、これまで伝えることのできなかった感謝を記させていただきます。震災発生直後から今に至るまで、国内外から数千人もの方々が諸教会、諸団体から送り出されてこの岩手の地を訪れ、ともに涙を流し、ともに仕えてくださいました。また直接訪れることはできずとも、献げてくださり、祈りに覚え続けてくださいました。そのすべてを挙げて感謝を述べることはできませんが、私たちは言葉には表せないほどの大きな励ましを受け続けています。
深い悲しみが覆った地からも、主が実らせてくださる実の萌芽が見えてきました。喜びが生み出されていくことをも、またともにしていただけるなら幸いです。
『被災地からの手紙』
近藤愛哉著 88頁 840円
こんどう よしや
1977年、福島県生まれ。2004年4月、保守バプテスト同盟・盛岡聖書バプテスト教会牧師となる。震災後に岩手県内教会を中心に発足した「3・11いわて教会ネットワーク」のコーディネーターとして、岩手における被災地支援活動に携わる。
He is a cross pendant.
He is engraved with a unique Number.
He will mail it out from Jerusalem.
He will be sent to your Side.
Emmanuel
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