朴栄子 著
「神の箱も、イスラエルも、ユダも仮庵に住み、私の主人ヨアブも、私の主人の家来たちも戦場で野営しています。それなのに、私が家に帰り、食べたり飲んだりして、妻と寝るということができるでしょうか。あなたの前に、あなたのたましいの前に誓います。私は決してそのようなことをいたしません。」(Ⅱサムエル11・11)
ほとんど考えたことのなかった、ウリヤについて思いめぐらす機会がありました。マタイの福音書の系図を黙想していたとき、次のフレーズが引っかかったのです。
「ダビデがウリヤの妻によってソロモンを生み」(マタイ1・6)
あれ、なんでウリヤ?と立ち止まったのです。彼はバテ・シェバの夫ですが、ソロモンの血筋には関係していません。ここは本来「ダビデがバテ・シェバによってソロモンを」となるべきではないでしょうか。
そういえば、ウリヤってどんな人だったかな。さらに思いを馳せてみました。
めっちゃ目立たない人。俗っぽく言うなら妻を寝取られた人。とばっちりで殺された、かわいそうな人……。どうもよろしくないイメージしか、思い浮かびません。けれども、彼は本当にみじめで不幸な人だったのでしょうか。
* * *
ある日、ダビデ王が屋上でぶらぶらしていると、眼下に美しい女性が沐浴している姿が見えました。調べさせると人妻だとわかりましたが、なんのその。すぐに呼び出して、関係を持ちました。その後、女性から妊娠したとの知らせが来ました。
あわてて策略を練り、夫のウリヤを戦場から呼び寄せて、戦況を尋ねた後、家でゆっくり休めと言います。夫婦関係を持ってくれさえすれば、この件は誤魔化せると踏んだのです。ところがなんと、彼は戦の最中だからと家には帰らず、他の家臣たちと王宮の入り口に寝ていたのです。冒頭のみことばのとおりです。
さらにもう一日滞在させ、今度は飲酒作戦を試みますが、それでも早々に辞して外で寝て、翌日戦場に戻されます。とうとうダビデは彼を最前線に配置させ、戦死させるのです。
* * *
改めてウリヤに注目してみて、気づいたことがあります。彼は自分をしっかり持っている。王の臣下として、兵士としての誇りがある。だから豪奢な王宮の入り口で、吹きっさらしのところに寝ても、へっちゃらです。
もし彼がこのような人ではなく、王からの贈り物や家に帰ってよいということばに、ホイホイと乗るような人だったら。画策どおり、妻と床をともにしていたら。生まれてくる子は夫婦の子ということにされ、ダビデの罪はもみ消されてしまう。
そうなったなら、多くの人の心を打つあの詩篇51篇(「ヒソプで私の罪を除いてください。……」)は生まれず、ダビデが砕かれた人として、さらなる祝福を受けることもなかった。また、バテ・シェバがダビデの妻になることもなく、ソロモン王の誕生もなかった。
そうです。ウリヤはみじめな人ではなく、神さまの配剤で、大きく用いられた人だったのです!
ウリヤという名前は「ヤハウェはわが光」という意味です。彼は主だけを畏れ、敬いました。神さまとの関係が揺るぎないものだったので、自己肯定感のとても高い人だったのです。だからこそ、このような行動が取れたのではないでしょうか。
「わたしってこんなに不幸」「なんでわたしだけ」「わたしほど辛い思いをした人はいない」このような自己憐憫は、用いられる人になることを邪魔する厄介者です。
オモニの認知症がどんどん進み、介助量が増えていったころ、悲劇のヒロイン病にとりつかれました。オモニを愛しているつもりでしたが、トイレの介助、着替え、食事の準備など、一つ一つが重荷でたまらず、なんでわたしがこんなことばかりと思ってしまったのです。
全財産をなくしたって、ボロボロの服を着ていたって、品性のある人の中身はそのままです。王にほめそやされてご馳走や贈り物をふるまわれなくたって、忠誠を誓った兵士の使命は変わりません。
今は日々の介護の中で、トイレでオモニと向かい合う時間がとても好きです。一緒に体操をしたり、お通じがあるのを喜んだり、パンツを替えたり。「こんなこと」がとても尊いルーティーンです。表情の乏しくなったオモニに変顔を見せて、声をあげて一緒に笑いながら、神さまの恵みの大きさを噛みしめています。
在日大韓基督教会・豊中第一復興教会担任牧師。1964年長崎市生まれの在日コリアン3世。
大学卒業後、キリスト教雑誌の編集に携わる。神学修士課程を修了後、2006年より現職。
*「コッチュ」は韓国語の「唐辛子」のこと。小さくてもピリリとしたいとの願いを込めて、「からし種」とかけています。
He is a cross pendant.
He is engraved with a unique Number.
He will mail it out from Jerusalem.
He will be sent to your Side.
Emmanuel
Bible Verses About Welcoming ImmigrantsEmbracing the StrangerAs we journey through life, we often encounter individuals who are not of our nationality......
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