パレスチナ人はペリシテ人の子孫ですか。

Q.質問

Q：パレスチナ人は、旧約聖書に出てくるペリシテ人の子孫ですか。パレスチナという国は、いつ建国されたのですか。

A.回答

A ：はじめに

タイムリーな質問をありがとうございます。パレスチナ神話と呼ばれるものがいくつかありますが、パレスチナ人に関する理解は、その1つです。このテーマに関して、いつものように3つ申し上げます。

1 番目に、古代ペリシテ人は、紀元前８世紀頃にはいなくなりました。

（1）ペリシテ人は、エーゲ海辺りからイスラエルの地に移住した海洋民族です。

（2）彼らは、海外沿いの地域に都市国家連邦を形成しました。

　　①ガザ、アシュドデ、アシュケロン、エクロン、ガテ

（3）彼らは、サウル王の時代にイスラエルを苦しめました。

（4）彼らは、ダビデ王によって打ち破られました。

2 番目に、パレスチナという名前は、ローマ皇帝ハドリアヌスが命名したものです。

（1）紀元70年にエルサレムが崩壊し、ユダヤ人たちは世界に離散して行きました。

（2）バル・コクバの乱を鎮圧したローマ皇帝ハドリアヌスは、土地の名称を「ユダヤ」から「シリア・パレスチナ」に変更しました（135年）。

（3）古代ペリシテ人は前8世紀頃に滅びましたが、ハドリアヌスは、ユダヤ人を侮辱するために、その名を復活させたのです。

3 番目に、パレスチナという民族が存在するわけではありません。

（1）また、パレスチナという国が存在したこともありません。

（2）パレスチナ人と呼ばれている人たちは、アラブ人です。

　　①1964年にPLO（パレスチナ解放機構）が設立され、ヤセル・アラファトが議長となって対イスラエル闘争を指導しました。

　　②その闘争の過程で、アラブ人たちは自らをパレスチナ人と呼ぶようになりました。

（3）20世紀初頭、パレスチナに住むユダヤ人たちが、パレスチナ人と呼ばれていました。

　イスラエルがパレスチナという国を滅ぼし、そこにユダヤ人の国を造ったというのは、神話です。