イエス・キリストの復活を記念する「復活祭(イースター)」。今年2024年は3月31日がイースターにあたります。教会では、イースター前の日曜日を除く40日間、「受難節(四旬節、レント)」という期間を過ごしますが、その最終週の金曜日に演奏されてきたのが「受難曲」です。J.S.バッハの《マタイ受難曲》は、日本でも数多くの人に愛される傑作です。
今回は、今年のイースターに向けて《マタイ受難曲》を聴いてみたいという方のために、作品の背景や聴きどころをご紹介します。
目次
バッハの源、宗教改革者マルティン・ルターバッハの生い立ち《マタイ受難曲》の構成マタイ受難曲の構成音楽用語の解説●プロローグ 第1曲●受難コラール 第15曲、第17曲、第44曲、第54曲、第62曲●ペテロの否認 第38曲a〜c●憐れんでください、神よ 第39曲●バラバ 第45曲aヨハネ受難曲との違いは?マタイ受難曲を聴くポイントまとめバッハはその人生の大半を教会音楽家として過ごし、教会カンタータやオラトリオ、受難曲、オルガン曲など、数多くの宗教曲を残しました。バッハはほとんどの自筆譜の最後に「SDG(Soli Deo gloria、ただ神にのみ栄光)」とサインしており、神に仕えるという召命感を持って作曲していたことが窺(うかが)われます。
ヴァルトブルク城の一室で
ルターは聖書をドイツ語に翻訳した
A.Savin, FAL, ウィキメディア・コモンズ経由で
バッハ生誕の地アイゼナハは、宗教改革を行ったマルティン・ルターとも関わりが深い街です。ルターは、アイゼナハ郊外にあるヴァルトブルク城の一室で、新約聖書をラテン語からドイツ語へと翻訳しました。バッハの豊かな作品群の源には、プロテスタント・ルター派の教会音楽の伝統があるのです。
宗教改革は、1517年にルターが「95カ条の論題」を発表したことに端を発します。カトリック教会が民衆に免罪符(贖宥状)を売りさばき、誤った教えに導いていたことに抗議したのです。
ルターは、あくまで神学的な討論を呼びかけることを目的としており、新しい教派を作ろうと考えていたわけではありませんでした。「95カ条の論題」がヨーロッパ世界の転換点になろうとは、ルター自身も予想だにしなかったようです。
改革運動は、「聖書のみ」「恵みのみ」「信仰のみ」の三つを核に展開していきます。ルターはまず民衆でも聖書を読めるようにドイツ語に翻訳します。しかし、当時の民衆の識字率は決して高くありませんでしたから、聖書の教えを広く民衆に伝えるためには司祭による聖書の解き明かしが必要でした。そこで、ルターは礼拝にドイツ語の説教を取り入れます。それまでカトリック教会のミサはすべてラテン語で行われており、民衆には何一つ理解できなかったためです。
そして、次に行った改革が、会衆が歌えるドイツ語の讃美歌を作ることでした。
マルティン・ルターが作詞・作曲を手掛けた讃美歌『神はわがやぐら』
このように、ルター派の伝統が色濃く受け継がれた地域で、バッハは教会音楽家として活躍することになります。
バッハは1685年3月21日、ドイツ中部の街アイゼナハで音楽一家の末子として誕生しました。早くから楽才を見せ、幼少期は聖歌隊で歌っていたようです。青年期には宮廷楽団のヴァイオリニストや教会のオルガニストとして活動し、カンタータの作曲などを精力的に行うようになります。ワイマールの宮廷、ケーテンの宮廷に仕えた後、1723年からライプツィヒのトーマス教会でカントール(音楽監督)の地位に就きました。
バッハのカントールとしての仕事は大忙しでした。毎週の主日礼拝のために教会カンタータを作曲するほか、教会の聖歌隊の指導や、市民の冠婚葬祭での演奏、またトーマス学校での授業にも心を砕いていたようです。
《マタイ受難曲》もこの多忙な時期に作曲されました。当時の教会では、クリスマス前の待降節、イースター前の受難節では音楽の演奏が行われなかったため、その期間を利用して長大な《マタイ受難曲》や《ヨハネ受難曲》の作曲に取り組んだのではないかと考えられています。
バッハは全部で5曲の受難曲を書いたと記録に残されていますが、今日私たちが聴くことができるのは《ヨハネ受難曲》と《マタイ受難曲》の2曲のみです。そのうち《マタイ受難曲》は1727年に作曲され、同年4月11日にトーマス教会で初演されました※。
冒頭で触れた通り、受難曲は、受難節最終週の聖金曜日に演奏される音楽です。
灰の水曜日から始まる受難節に入ると、信徒はイエス・キリストの苦しみと十字架を偲んで心静かに過ごします。そして最終週(受難週)の聖金曜日に受難曲を聴き、日曜日の復活を待ち望むのです。
●イースターについてはこちらの記事をどうぞ
He is a cross pendant.
He is engraved with a unique Number.
He will mail it out from Jerusalem.
He will be sent to your Side.
Emmanuel
Bible Verses About Welcoming ImmigrantsEmbracing the StrangerAs we journey through life, we often encounter individuals who are not of our nationality......
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