ブック・レビュー 『ブック・オブ・ザ・ダンカウ』

聖書に出てくる用語、クリスチャンが使う用語を説明しています。 ヘブル的視点で解説されていますので、すでにクリスチャン歴が長い方にも新しい発見があるかもしれません。


井上 政己
東京基督教大学 専任講師

クリスチャンファンタジーの傑作

 最初に言っておく。この小説は滅法面白い。筋は明快、筋運びは軽快、描写は絶妙、寓意・象徴は自明、そしてテーマはクリスチャンにとって切実。善と悪との相克が劇画かハリウッド製映画のようなテンポで展開する。

 クリスチャンファンタジーといえばルイスとトールキンが、鳥獣譚ならイソップや『たのしい川べ』や『動物農場』がすぐに思い浮かぶであろうが、実はこの小説の世界はもっと多層的で、その宇宙観(「天地学」)、社会制度、道徳、物語の構造、英雄像、戦闘法等、どっぷり中世的なのだ。

 まずタイトルは、十二世紀頃アイルランドでしるされたケルト説話集と同一。(その説話集の内容は牝牛とは無関係。写本の表装が茶色の牛革であることに由来する。)

 次に登場人物名。ションティクリア、ペルテローテ、ラッセル卿は、チョーサー『カンタベリ物語』中の「尼寺侍僧の話」よりの借用。悪の具現ウィルムは、蛇の意の古英語で(余計なことだが正しい発音は「ウユルム」)、『ベーオウルフ』を思い起こさせる。ついでに言うと、登場人物名には象徴的意味がこめられており、この点『天路歴程』のそのものずばりのネーミングよりはひねってある。コカトリスは猛毒の眼光を放つ鶏蛇。ムンドー・カニはイタリア語で「犬の世界」。雌鶏たちの名は中世に知られていた宝石から。セネックスは老人の意のラテン語。(ちなみに、ウィルムが口から発するのはラテン語である。)

 言うなれば、この小説は中世動物寓意を枠とし、中世バラッド形式も活用し(例えば黒アリの歌)、主人公の英雄的活躍は『ロランの歌』などの武勲詩に、道徳的アレゴリーは『農夫ピアスの夢』に倣う。ルイスの影響をいうのであれば、『ナルニア物語』そのものよりむしろ『愛のアレゴリー』である。

 とはいえ、さては博覧強記の小説ならんと敬遠するなかれ。そんな文学史的予備知識などなくとも、テレビゲームの『三国志』や劇画の『陰陽師』『バガボンド』のように、この遊び心満載の小説にハマること請け合いである。

The Cross Pendant

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Emmanuel

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