『聖書ものがたり絵本』待望の第1巻いよいよ登場! 聖書のリアリティと中東の空気感を大切にして

聖書に出てくる用語、クリスチャンが使う用語を説明しています。 ヘブル的視点で解説されていますので、すでにクリスチャン歴が長い方にも新しい発見があるかもしれません。

小林 豊
日本画家

聖書のリアリティと中東の空気感を大切にして

この絵本の制作を始めるときの第一印象はいかがでしたか? 聖書は非常に面白いテキストだと思います。あれだけのものは、世界でもちょっと他にないですね。だからこそどう描いたらいいのかが、すごく難しい問題だと思っています。

 聖書の舞台である中東にはよく行かれていますね。

 東地中海の文明は、人間の回廊というか、文化の回廊の一番古い地域で生まれました。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教がここで生まれ、色々な民族がぶつかり合った。その中で生まれた聖書は、非常に魅力的なものです。

 今回の絵を描くにあたっても、やっぱり空気感を大切にしました。絵は、やはり実測が大切。実際に歩いて、階段を上ったときの距離感とかね。それからリアリティも大切です。西洋絵画ではキリストが椅子に座っていますが、中東の人々は、いま床に座布団を敷いて、あぐらをかき、お茶を飲んだり、ご飯を食べています。聖書の時代には寝そべっていたといいますし。キリストの顔も、どう見ても中東の顔じゃない。だから、僕らが知っているヨーロッパの聖画には、どこかで違和感を感じるんですよ。

 小林さんが四十年間、惹かれ続ける中東の魅力とは何ですか?  僕は、あそこにすべての渦があるような気がします。それは、日本ともつながるし、ヨーロッパとも、新大陸ともつながっている。

 僕はもともと地球の北緯三六度線の南北エリアをテーマに描いてきました。東京もそうですが、だいたい文明の中心地を通っていくんですよ。中国だと西安、昔の長安の都ですね。そこからシルクロードを通って、アフガニスタンのカブールやペルシャへ。それからシリヤとかパレスチナ周辺を通過して、エーゲ海、ギリシヤの辺り、イタリア南部や北アフリカを通っていくラインです。その周辺に色々な文明が入り込んで、渦をまいていくわけです。

 特に中東は、その渦巻きの中心になっている。世界中からそういう現場として見られている場所ですよね。あそこには、人間の襞とか、地面の襞、気候の襞がすべてある。それをこの絵本でも描いていきたいですね。

 第一巻目を終えてみて、特に苦労したところはどこですか? 膨大な聖書を、あれだけのページ数に収めるのは結構難しくて、元々無理な話なんですよね(笑)。大切なのは、そこにどれだけの情報量を埋め込むのかということ。大人から字を読めない子まで、絵の中に、その土地の持っている匂いをどれだけ入れられるか、そこにどれだけ共感を得られるかということに尽きるんです。絵を見て「ああ、行ってみたい」「この感じならわかる」という思いを体験してもらうことが、絵本の中でできますね。絵を読むというのは自由ですから。

 この絵本の中で、アブラハムが神様に命じられて、イサクをいけにえとして捧げる絵がありますが、人物は山の上で小さく描かれ、バックの空は一面夕焼けのような複雑な色彩。そこにアブラハムの信仰、愛する子の命を絶つと覚悟した切迫感、親としての悲しさが、全部入っているように感じました。

 わかりやすく説明するなら、あそこに神の光をツーンと通せばいいわけですよ。でも、それを描くと説明になってしまう。絵を見るとき、人によってそれぞれ感じ方が違う。あの赤の色をどう感じるのか、暗さをどう感じるのかと。画家はそこにかけるわけです。

 絵が、読む人の心にスイッチを入れるのですね。

 そう、そこから先はあなたの問題です、ということなのです。説明はせず、それから先はあなたが読んでくださいよということが、特に聖書では大切だと思うんですよね。

 この絵本を描くときの対象はどうお考えですか? 僕は子どもを見ています。子どもは将来の大人ですし、大人はこの間までの子どもですから。実は大人も、子どももないんです。どこで切るかですから。子どもに向かわないと、次がないですし。子どもは、自然を興味を持って見られる。大人になると見なくなるんです。見えても通り過ぎちゃう。寂しいですね。

 大人は、目的だけを見るように訓練されますね。

 そう。だけど横が見えない人間は信用できません。基本的に、色々なものが次々出てくる時に、今の状態を見直すとか、発見する心が大切です。それが「子どもの心」なのです。子どもにとって、明日は新しく、その次の日も新しい。

 子どもの心で描かれた絵本は、大人が健全な心でいるためにも必要ですね。

 絶対必要ですね。絵本は大人も読むべきです。ただ考えてほしいのは、次の世代のためにも、現状で癒されておしまいではいけないということ。聖書を読んで感じたのは、人を本当の意味で癒したのは、キリストだけだということです。人間や絵本からの癒しは中途半端なものですから。いま「癒し」は安易に使われていますよね。本当に癒してくれるのは神だけだということも忘れないでいたい。

 全四巻の完成に向けて抱負はいかがですか? たぶん、同じ箇所を何度描いても、違った表現になるんだと思います。聖書ってそういうものだと思いますね。「できあがる」ということはない。何千年も、多くの画家が描き続けているんですから。大切なのは、この絵本を読んだ人が、自分のなかで創造していくこと。そうやって、奥深いキャパシティを持った聖書の世界の中に入っていくことになるのだと思います。僕がどんなにへたくそに描いても、そのキャパシティの中に入れてもらえるというのが、聖書の良いところなんです(笑)。

 小林豊 プロフィール1946年、東京都生まれ。日本画家。1979年、日展初出品で入選。1983年、「上野の森美術館」特別優秀賞受賞。中東・アジアをたびたび訪れ、その体験をもとにした絵本で多くの読者を魅了している。

 著書に、『せかいいちうつくしいぼくの村』(ポプラ社)、『タタはさばくのロバ』(童心社)、『火は早めに消さないと』(フォレストブックス)など多数。

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