特集 みことばを生きるために 信仰者の心の内を見つめた逆方向のディボーション・ブック

聖書に出てくる用語、クリスチャンが使う用語を説明しています。 ヘブル的視点で解説されていますので、すでにクリスチャン歴が長い方にも新しい発見があるかもしれません。

クリスチャン・ジャーナリストとして数々の著作を生み出してきたフィリップ・ヤンシー氏による『グレイスノート 366日』が登場。いわゆる「聖書日課」とは異なる本書の魅力とは―

 

信仰者の心の内を見つめた逆方向のディボーション・ブック

翻訳家  山下章子

聖書日課やディボーション・ブックと呼ばれるものは、その日のみことばとその解説、日常生活への適用などが書かれ、祈りの言葉で締めくくられるものが多いのですが、この秋に出版された『グレイスノート 366日』はディボーション・ブックとして使われることを意図しながらも、いささか趣が異なっています。

それは著者フィリップ・ヤンシー氏が、牧師や神学者といった専門家ではない、一介のキリスト者であるジャーナリストという立場を何より大切にしてきたことによります。
彼は一般会衆の代表であることを自らの使命―召命―と考え、多くの人に取材をしながら、ものを書いてきました。

「たましいの事件記者」というタイトルで、本誌にヤンシー氏の作品に関する短期の連載記事を書かせていただいたことがあります(二〇一六年二~七月号)。キリスト教の洗礼を受けるまでには、人それぞれにドラマがあります。受洗に当たって語られる信仰告白は、聞く者に感動をもたらします。けれどいったんキリスト者になれば、それでめでたし、めでたし、というわけでもなく、むしろそこからさらに新しいドラマが始まるのではないでしょうか。

信仰者の心の中という現場では実際、どんな事件が起きているのか。そこに光を当てたのがヤンシー氏でした。

明らかになったのは、信仰者の多くが心の中に神様への疑問や恨み、つらみ、不信、怒りなどをもち、それらを口に出せぬまま苦しんでいることでした。何しろ、神様は私たち人間の目には見えないお方、「神様、どうして……」と叫んだところで、轟くような声で答えをいただくような体験は、なかなか得られるものではありません。多くの人が悩みつつ、手探りで信仰生活を送っているのが実情と思われます。

ヤンシー氏は人種差別主義を疑わない、米国南部のファンダメンタルな教会で育ちました。ところが思春期以降、信仰について懊悩するようになります。時は六〇年代、公民権運動の波も押し寄せます。教会の考え方に疑問を抱き、自身の信仰をも問い直さざるを得ませんでした。長く信じてきたのは人間を裁く神でした。

取材した人々の疑問はヤンシー氏自身の疑問でもありました。自身の心のうちも正直にさらけ出しながら、あらためて聖書に向き合い、先人たちの知恵に学び、今を生きる他の信仰者たちの生きざまも手掛かりに答えを探り、何冊もの本を書いてきました。

裁くのではない、愛する神をどのように知ることができたのか。信仰者は疑問をもってよいのか、どこに目を向ければ信仰の本筋から外れずにいられるかなど、本書には彼の思索のプロセスと、その結実の抜粋が集められています。

ヤンシー氏は信仰生活をきれいごとにしないでくれました。信仰生活はきれいごとでなくてよいことを、自身の体験も踏まえて公言してくれたのです。そのことについて、感謝しきれない思いでいる人はどれほど多くいることでしょう。
*    *
信仰者の内側で起きている事件を出発点としてみことばに向かう。この現場第一主義は、ジャーナリストならではの執筆方法と言えるでしょう。ふつうの信仰者と同じ地平に立っていること、一般的なディボーション・ブックと逆方向に進んでいる点が、本書の特徴であり、魅力であると言えます。
今振り返ると、「たましいの事件記者」という呼び方は、クリスチャン・ジャーナリストであるヤンシー氏の一面しか伝えていませんでした。もう一つの面は、言うなれば「恵みの現場を報道する記者」でしょうか。彼自身が予想外のものとの遭遇から神の恵みに出会っています。

そして、あらゆる境界線を超えてゆく神の恵みこそ、キリスト教を他宗教と違うものにしているとの確信に至り、米国内はもとより、世界中の意外な場所で働いている恵みについて伝えています。
彼がどのように恵みと出会ったのか、恵みの花開いている意外な場所とはどのようなところか、ぜひ本書を探っていただきたく思います。

さて、ヤンシー氏には、「現代の事象をイエスの視点から見ようとする思索家」という一面もあると言えます。

日々綴られる思索の糸口は、文化戦争、経済の破綻、銃乱射事件、失われつつある野生、文学、芸術、はたまたℂ・S・ルイスの言う排泄と生殖という下品な冗談まで、実に多彩なものですが、いずれも人生の現場に関わることです。ここでも現場からスタートして、キリスト者のあるべき姿に思いをはせるという姿勢は一貫しています。

三百六十六の記事の多くはヤンシー氏の著書からの引用ですが、未発表原稿が相当数含まれていますし、妻ジャネットさんへの言及もあちこちに見られるので、長年のファンも興味深くお読みいただけると思います。

彼の作品群と付き合う機会に恵まれてきた者としては、あまり多くの方には読まれなかった『イエスが読んだ聖書』や『見えない神を捜し求めて』(いのちのことば社、現在品切れ)からの引用が多いことも大きな喜びです。

この逆方向のディボーション・ブックが、皆様の信仰の旅路に新しい気づきをもたらす一助となりますよう、心より願っております。

フィリップ・ヤンシー新刊&好評既刊
『グレイスノート 366日』
フィリップ・ヤンシー 著/山下章子 訳
A5判 定価3,630円(税込)
これまでの著作や様々なところに寄稿してきた文章から印象深い一文を選び、366日分に編集。恵みについて、祈りについて、苦難について、社会と時代についてジャーナリストならではの視点を提供する。

『ソウル・サバイバー
私を導いた13人の信仰者』
フィリップ・ヤンシー 著/山下章子 訳
四六判 定価2,860円(税込)
著者のこれまでのたましいの旅路を、キング牧師、遠藤周作、ドストエフスキーなど、影響を受けた13人の信仰者を通してたどる。自らの生き方、信仰、数々の著作の原点を見つめ直した一冊。

The Cross Pendant

He is a cross pendant.
He is engraved with a unique Number.
He will mail it out from Jerusalem.
He will be sent to your Side.
Emmanuel

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